2013年11月30日

78回転再生用フォノモータ

78回転愛好家の方には、1970年代に発売されたテクニクスの78回転10Mk.2を使われている方がおられるようです。 これは良いことです。 高音質の78回転再生を得ようとすればフォノモータのSN比が重要になるからです。 だが、これ以外は全部ダメです。 その理由をこれから述べますが、フォノモータのSN比には二種類あり、一つは物理的なSN比でこれは数値で表すことができます。 もう一つは音楽的なSN比、これは数値では表せないものです。 つまりダイレクトドライブフォノモータを使えば、物理的なSN比で音は良くなるが音楽は出てこないことを知っていただきたいのです。 78回転盤に内含された音楽信号は凝縮された性格を持っています。 ですからフォノモータの機械力と音楽力で解きほぐさねばなりません。 ところがダイレクトドライブフォノモータにはそんな力は存在しません。 したがって音が解きほぐされることなく、固まったまま出てきてしまいます。 78回転の再生音はそのようなものではあろうはずがありません。 RIMG0109柔らかく切れ込みは鋭いけれどギスギスとした音はしない。 本当はもっとふくよかな自然なものであるはずです。 78回転盤の音を誤解するのもわかる気がします。 蓄音機再生は良いとしても、我国では78回転レコードの電気再生は暗黒そのものでした。 まともに再生できるフォノモータープレイヤ、アンプ、スピーカなどほとんどありませんでした。 アナログレコード再生の究極は78回転盤の再生であるとの神話も一方には存在します。 78回転の電気再生に使用されたフォノモータはまずガラード301、401かオートチェンジャがあります。 RIMG0110こうしたアイドラ式プレイヤとテクニクスSP10-Mk.2を計測器で比較すれば間違いなくSP10-Mk.2の方が優秀だということになるでしょう。 SP10-Mk.2が78回転再生に良いと言われたのはCDが出現したころではと私は記憶していますが、そうであるならデジタルに対する反発が78回転ファンを増やしたと思われる。 78回転を持つダイレクトドライブフォノモータを78回転再生用に使う時代はもう過去のものと私は確信している。 RIMG0134なぜなら現在ではトーレンスTD124があり、コニサーもコラロもあります。 本場ものが手に入るのです。 真の78回転再生はこのような本物の音楽の魂を再現できる品でなければ、真の姿を現してはくれません。 また、もっと手軽にしかも確実に78回転再生を良好に楽しめる品にガラード社のRC72, RC80などのオートチェンジャがあります。 時代に沿ったという観点からみれば78回転の再生にはこうしたプレイヤにより一層忠実味が増すことになります。
以上T氏

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