デコラにお辞儀する? 2
ステレオデコラの本質
ステレオデコラはレコード・プレイヤ部が付いた大型ラヂオです。 ここのところはちょっと判りずらいかもしれません。 家具調度の整った広間で大型ラヂオを聴く習慣が無いからです。 英国では1955年からFM放送が開始され、高音質の放送受信機への要望も高まっていました。 事実ステレオデコラのチューナ部の音質は滋味に満ちており、機智に富んだ番組構成のBBC放送をさらに魅力的なものにしていたに違いありません。 そうです、この豪華な家具のようなものは、レコードもかけられるラヂオでした。
確かに立派なキャビネットに組み込まれたレコードプレイヤ部、COLLARO社製4T200をDecolaにアレンジしたフォノモータに自社製ffssピックアップシステムはラヂオ電蓄には不相応なクオリティを持っています。 この組み合わせをそっくりそのまま取り出してしかるべきキャビネットに収めると、英国式ハイフィデリティのスタイルでレコード再生音が颯爽と立ち現われるのですから。 最近、私たちはそれを実行し、同じ組み合わせでプレイヤを組み上げ、その格調の卓越した音質を確認しています。 初期ステレオ盤を再生させたらこれに並ぶプレイヤはそう多くはありません。
『デコラにお辞儀する』の記事にはフォノモータに関する記述がすっぽり欠けているし、写真も掲載されていません。 一体どのようにしてレコードを聴いたのでしょう? 不思議です。 デコラにCOLLARO社製とGARRARD社製301が装備されたのは確認されていますが、音の良さと家庭用の再生音となるとCOLLARO社製の方が優っているというのが定説です。
デコラの本質で一番重要なのはその外観にあります。
これほど立派な家具はそうざらにはありません。 リージェンシー様式を模してデザインされ、絶妙に木目塗りされたマホガニー材はローズウッド枠で仕切られています。 真鍮ラッカー塗りの硬質グリルで囲われたスピーカ・チェンバーはトラディショナルグリーンのシルクで覆われており、飾り金具もまた真鍮ラッカー塗装仕上げという念の入れようです。 雅を凝らした居間、客間に据えると似合います。 またそうした部屋の空気の中で,初めてデコラは活きるのです。 そう、一番の魅力は、そのデザインにあります、醸し出す空気感にあります。 音が出るだけで、それで充分なのです、相応しい居間にあるならば。 デコラが大きく見えない空間にあるならば。 つづく
ステレオデコラはレコード・プレイヤ部が付いた大型ラヂオです。 ここのところはちょっと判りずらいかもしれません。 家具調度の整った広間で大型ラヂオを聴く習慣が無いからです。 英国では1955年からFM放送が開始され、高音質の放送受信機への要望も高まっていました。 事実ステレオデコラのチューナ部の音質は滋味に満ちており、機智に富んだ番組構成のBBC放送をさらに魅力的なものにしていたに違いありません。 そうです、この豪華な家具のようなものは、レコードもかけられるラヂオでした。
確かに立派なキャビネットに組み込まれたレコードプレイヤ部、COLLARO社製4T200をDecolaにアレンジしたフォノモータに自社製ffssピックアップシステムはラヂオ電蓄には不相応なクオリティを持っています。 この組み合わせをそっくりそのまま取り出してしかるべきキャビネットに収めると、英国式ハイフィデリティのスタイルでレコード再生音が颯爽と立ち現われるのですから。 最近、私たちはそれを実行し、同じ組み合わせでプレイヤを組み上げ、その格調の卓越した音質を確認しています。 初期ステレオ盤を再生させたらこれに並ぶプレイヤはそう多くはありません。
『デコラにお辞儀する』の記事にはフォノモータに関する記述がすっぽり欠けているし、写真も掲載されていません。 一体どのようにしてレコードを聴いたのでしょう? 不思議です。 デコラにCOLLARO社製とGARRARD社製301が装備されたのは確認されていますが、音の良さと家庭用の再生音となるとCOLLARO社製の方が優っているというのが定説です。
デコラの本質で一番重要なのはその外観にあります。
これほど立派な家具はそうざらにはありません。 リージェンシー様式を模してデザインされ、絶妙に木目塗りされたマホガニー材はローズウッド枠で仕切られています。 真鍮ラッカー塗りの硬質グリルで囲われたスピーカ・チェンバーはトラディショナルグリーンのシルクで覆われており、飾り金具もまた真鍮ラッカー塗装仕上げという念の入れようです。 雅を凝らした居間、客間に据えると似合います。 またそうした部屋の空気の中で,初めてデコラは活きるのです。 そう、一番の魅力は、そのデザインにあります、醸し出す空気感にあります。 音が出るだけで、それで充分なのです、相応しい居間にあるならば。 デコラが大きく見えない空間にあるならば。 つづく