LEAK DYNAMIC Pick-Up Mk.2
英国ピックアップシステムシリーズ第3回は LEAK DYNAMIC Mk.2 です。 1954年、H.G.LEAK & co. は 好評を博した"DYNAMIC" (1949 次回紹介予定) の後継機としてDYNAMIC Pick-Up Mk.2を発売します。 改良点は針圧2-3gでトレースするMCカートリッヂ、一点支持ピヴォット(オイルダンプではありません)式ストレイト・トーンアームにより、再生音にしなやかさと多彩な音色が備わるようになります。 一見調整が簡単そうに見えますが、これがなかなか厄介なのです。
トーンアーム調整の問題点はカートリッヂのアジマス角度がほとんどの場合どちらかに傾いていている、つまり狂っているのです。
調整機能はついていませんので、ユーザが何とかしなければいけません。 もう一つの問題は、アームベースから垂直に伸びている金属支柱棒がアームピヴォット下部にある金属製ガイドスリットに通してあります。 アーム本体が上下動する際、ガイドスリットを金属棒がスライドするのです。 スリットと金属棒との間にはわずかな隙間があるのですが、ほとんどの場合どちらかに傾いて接触しながらスライドします。 これが接触していると音が濁り気味で具合が悪い。 そこでバランスをうまくとる方法を施して、スリットに接触せずに上下動スライドできるように調整してやると、接触している時よりずっと澄んだ再生音が得られます。
この2つの問題をクリアすれば、高水準の性能を発揮するトーンアームです。 この2つの問題、気にしなければそれで済んでしまう、かなりの音は確かに出ます。 しかしこの問題を解決するとしないでは、ドアの前でうろうろするかドアが開くかくらいに違います。 英国製品にはそうした伸びしろの罠がいたるところに潜んでいるのが面白いところです。
カートリッヂ調整の問題点は、ダンパが硬化しているかどうか、です。 60年経ても中には極細の輪ゴムのようなダンパは劣化しているか切れているものが多く、その場合、もちろん使用不可です。 盛大にビリツキます。 しかし、幸運にもダンパも針先も傷んでいないモノに当たれば、それはそれは素晴らしい再生が可能になるのです。 もちろん、代替品のダンパもありますが、やはり無傷のオリジナルにはかなうはずもありません。 MC型で専用トランスを通して40mVの出力が得られますので、使いやすくできています。 もう一つ、状態が良いものでも、それぞれ出力も音質も異なります。 でも、それぞれ良い音ですので、何とでもなります。
パンフレットや説明書には、MC型がカートリッヂの中で最高の方式であるとか、このカートリッヂこそBest in the World と自信タップリに壮語しています。 くやしいけれど大袈裟ではないことを認めざるを得ません。 まず品があります。 これは大切なことです。 良質ダイヤモンド針を意識させる、宝石の潤いある透明な輝き。 それに色香を添えてみずみずしいクラシック音楽の花を開かせる再生が可能です。 ヴァイオリン再生などは芯があって音の肌理が濃やかであること。 なかなかむつかしい音がストレス抜きで聞こえてくるのです。 いや、これは聴いていただくしかありません。 このぐらいの水準の再生音になると、イクォライザ切り替えとトーンコントロールがないと、わくわくする音楽は出てきません。 低域でさえしなやかで音色があるのですから。 あ、それからエードリアン・ボールト/LPO録音盤はどれも清々しく再生されて素敵です。
フォノモータはCONNOISSEUR CRAFTSMAN-2(ハンマーライト塗装初期型)、COLLARO 4T200が良い。 またはCONNOISSEUR- 3スピード(TYPE-AでもTYPE-Bどちらも)あたりも。 振動アースが素直に抜けるキャビネットが不可欠なのは言うまでもありません。 このあたりの再生機はただ組み上げれば一丁上がりというわけにはいきません。 時間をかけてちゃんとツボを押さえて調整していくことです。 調整すればするほどなめらかに、それは清らかな音像が現れるのですから。 ACOUSTICAL MARK.1 アンプリファイア+VITAVOX CN191(1956年製)スピーカで聴いた上で書きました。 耳が音楽を捉える感覚が研かれていくのがわかります。 この組み合わせで聴くオーケストラの弦群は柳のそよぎを思わせ、低域の渦が巻く様子、しぶきの上がる冷気など、空気の震えの魔力に興を覚えました。 とにかくうるおい、しなやかなのです。 つづく
以上T氏
参考ページ
LEAK MCカートリッヂ
Dear foreign record and audio lovers,
Our place is located in a small town where is not well known,
however, full of interesting scenery,foods and people.
Near Narita airport
Why not visiting us and listening to music together ?
greythorens@kind.ocn.ne.jp
トーンアーム調整の問題点はカートリッヂのアジマス角度がほとんどの場合どちらかに傾いていている、つまり狂っているのです。


カートリッヂ調整の問題点は、ダンパが硬化しているかどうか、です。 60年経ても中には極細の輪ゴムのようなダンパは劣化しているか切れているものが多く、その場合、もちろん使用不可です。 盛大にビリツキます。 しかし、幸運にもダンパも針先も傷んでいないモノに当たれば、それはそれは素晴らしい再生が可能になるのです。 もちろん、代替品のダンパもありますが、やはり無傷のオリジナルにはかなうはずもありません。 MC型で専用トランスを通して40mVの出力が得られますので、使いやすくできています。 もう一つ、状態が良いものでも、それぞれ出力も音質も異なります。 でも、それぞれ良い音ですので、何とでもなります。
パンフレットや説明書には、MC型がカートリッヂの中で最高の方式であるとか、このカートリッヂこそBest in the World と自信タップリに壮語しています。 くやしいけれど大袈裟ではないことを認めざるを得ません。 まず品があります。 これは大切なことです。 良質ダイヤモンド針を意識させる、宝石の潤いある透明な輝き。 それに色香を添えてみずみずしいクラシック音楽の花を開かせる再生が可能です。 ヴァイオリン再生などは芯があって音の肌理が濃やかであること。 なかなかむつかしい音がストレス抜きで聞こえてくるのです。 いや、これは聴いていただくしかありません。 このぐらいの水準の再生音になると、イクォライザ切り替えとトーンコントロールがないと、わくわくする音楽は出てきません。 低域でさえしなやかで音色があるのですから。 あ、それからエードリアン・ボールト/LPO録音盤はどれも清々しく再生されて素敵です。
フォノモータはCONNOISSEUR CRAFTSMAN-2(ハンマーライト塗装初期型)、COLLARO 4T200が良い。 またはCONNOISSEUR- 3スピード(TYPE-AでもTYPE-Bどちらも)あたりも。 振動アースが素直に抜けるキャビネットが不可欠なのは言うまでもありません。 このあたりの再生機はただ組み上げれば一丁上がりというわけにはいきません。 時間をかけてちゃんとツボを押さえて調整していくことです。 調整すればするほどなめらかに、それは清らかな音像が現れるのですから。 ACOUSTICAL MARK.1 アンプリファイア+VITAVOX CN191(1956年製)スピーカで聴いた上で書きました。 耳が音楽を捉える感覚が研かれていくのがわかります。 この組み合わせで聴くオーケストラの弦群は柳のそよぎを思わせ、低域の渦が巻く様子、しぶきの上がる冷気など、空気の震えの魔力に興を覚えました。 とにかくうるおい、しなやかなのです。 つづく
以上T氏
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LEAK MCカートリッヂ
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