2015年11月20日

秋休み

もみぢの季節、秋休みに行ってきた。
広島は快晴
みっちゃん、ふみちゃん、やっちゃん・・・
お好み焼き屋の暖簾が笑っている。
厳島神社の鳥居の朱が一際海面に映えた。
見下ろす大経堂の板の間に、風がそよぐ。

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京都で古いプリントの小津作品(1952) を見た。
フィルムは10分間と7分間ほどの欠損があるとアナウンスされたが、
そんなこと気にならない映像の生々しさが
オリジナルフィルムには、あった。
人物の動きはおおらかに遅いけれど、表情の動きの変化が濃い。

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スクリーンからは、
俳優の表情のニュアンス、言葉の裏にある含み、画面で一番輝く箇所、ささえる影のうつろい
テレヴィジョンやDVDでは、とても出し切れていない表現に満ちている。 これはどういうことだ。
ノイズや画像の乱れは数々あるが、その迫力、その濃さは比べ物にならないほどの説得力を持つ。
リマスタされた映像は全体にきめ細かいなめらかなグレーばかりで白も黒もなく、
フィルム映写には本物の白と銀色がかった黒のコントラストが一層の深みを彫る。
病みつきになりそう。  製作者の血の濃さと肉の躍るのがスクリーンからセリ出てくるのだから。

初版レコードとCDやPCオーディオとのあからさまな違いと、同じ話しではないか。



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2015年11月

2015年11月04日