グレイ型TD124キャビネット製作記 4
4 THORENS社製オリジナルキャビネットST104型とTD124の関係
TD124を使用するにあたってオリジナルキャビネットST104が担う役割の本質は、TD124の躯体の一部であるということに尽きます。 例えばアンプリファイアのパーツと考えてみましょう。 マニアならばアンプリファイアが抵抗、コンデンサ、トランス、真空管、ヴォリューム等で音が変わるのは良くご存じでしょう。 それと同じことがキャビネットにもあてはまるのです。 いやもっと突っ込んでいえば、音が変わるというより、音が変容するといったほうが近いかもしれません。 つまり、アンプリファイアでも変えられないところをキャビネットが変えているというか、補正しているのです。 TD124にとって、ことさらキャビネットは重要な部位なのです。
オリジナルキャビネットST104型が他のリメイク品に比べて格別の力を有する理由は、音持ちの良さと音離れの良さにあります。 グッと音を貯めて音を飛ばす、オリジナルキャビネットとTD124が反応すると音圧レヴェルが高くなるのはそのためです。 その効果は音楽を聴くには絶大なものですが、どのTD124でも最良の結果が出るとは限りません。 たとえば初期タイプのエンポリウム型で良い効果が得られても、30000番台以降のMk.1やMk.2のなかにはそれほど反応しないこともあります。 オリジナルキャビネットと反応するに十分なエネルギが足らないことが原因と思われます。 エンポリウム型のなかでも反応しないものがあります。 個体そのものが強い音持ちと音離れを持ち合わせている場合です。 その強烈な力がオリジナルキャビネットの力とうまくかみ合わない。 プラスとプラスがぶつかってマイナス化してしまう現象も少なからず経験してきました。 このような場合は2型キャビネットに取り付けた方が良い結果が出ます。 2型は1型と違い、音をため込む力より逃がす力のほうが大きいからです。
オーディオ的見地から感じられることを書いてきましたが、音楽についての効果はどうでしょうか。 オリジナルキャビネットと良く調整されたTD124が良い方向に反応すると、西欧人が良しとする音楽の立体音響を成就する方向に再生音を導いていきます。 この立体音響が出現すると、50年代から60年代前半のヴィンテージレコードは無類の音楽的な感興を聴き手に及ぼします。 だからこそ、TD124がレコード愛好家やオーディオマニアに熱心に愛され続けているのです。 これからは一歩進んでTD124にはキャビネットが如何に重要であるかがより意識されることになるはずです。
次回から
私が製作したグレイ型キャビネットについて書いていきます。 つづく
以上T氏
TD124を使用するにあたってオリジナルキャビネットST104が担う役割の本質は、TD124の躯体の一部であるということに尽きます。 例えばアンプリファイアのパーツと考えてみましょう。 マニアならばアンプリファイアが抵抗、コンデンサ、トランス、真空管、ヴォリューム等で音が変わるのは良くご存じでしょう。 それと同じことがキャビネットにもあてはまるのです。 いやもっと突っ込んでいえば、音が変わるというより、音が変容するといったほうが近いかもしれません。 つまり、アンプリファイアでも変えられないところをキャビネットが変えているというか、補正しているのです。 TD124にとって、ことさらキャビネットは重要な部位なのです。
オリジナルキャビネットST104型が他のリメイク品に比べて格別の力を有する理由は、音持ちの良さと音離れの良さにあります。 グッと音を貯めて音を飛ばす、オリジナルキャビネットとTD124が反応すると音圧レヴェルが高くなるのはそのためです。 その効果は音楽を聴くには絶大なものですが、どのTD124でも最良の結果が出るとは限りません。 たとえば初期タイプのエンポリウム型で良い効果が得られても、30000番台以降のMk.1やMk.2のなかにはそれほど反応しないこともあります。 オリジナルキャビネットと反応するに十分なエネルギが足らないことが原因と思われます。 エンポリウム型のなかでも反応しないものがあります。 個体そのものが強い音持ちと音離れを持ち合わせている場合です。 その強烈な力がオリジナルキャビネットの力とうまくかみ合わない。 プラスとプラスがぶつかってマイナス化してしまう現象も少なからず経験してきました。 このような場合は2型キャビネットに取り付けた方が良い結果が出ます。 2型は1型と違い、音をため込む力より逃がす力のほうが大きいからです。
オーディオ的見地から感じられることを書いてきましたが、音楽についての効果はどうでしょうか。 オリジナルキャビネットと良く調整されたTD124が良い方向に反応すると、西欧人が良しとする音楽の立体音響を成就する方向に再生音を導いていきます。 この立体音響が出現すると、50年代から60年代前半のヴィンテージレコードは無類の音楽的な感興を聴き手に及ぼします。 だからこそ、TD124がレコード愛好家やオーディオマニアに熱心に愛され続けているのです。 これからは一歩進んでTD124にはキャビネットが如何に重要であるかがより意識されることになるはずです。
次回から
私が製作したグレイ型キャビネットについて書いていきます。 つづく
以上T氏