2019年03月26日

これを聴かずにラヴェルを聞いたことにはならない

路に迷った末、見知らぬ街に誘い込まれてしまう。 しばらく見回せば、なあんだ、いつもの四つ辻に逆方向から入り込んだんだ、と、気づいた瞬間。 板ガラスのように透明な青のラヴェル! 管楽器がとぼけて吹いたパヴァーヌの旋律に、ひっそりと提灯のぶら下がっている温泉街の坂道に、空虚な欲情が見えています。 見馴れない暗闇もスペイン狂詩曲に見えてくる。 上下逆にして世界地図を眺めている気分。 路に迷った末、見知らぬ街に誘い込まれてしまう。 しばらく見回せば、なあんだ、いつもの四つ辻に逆方向から入り込んだんだ、と、気づいた瞬間。 板ガラスのように透明な青のラヴェル! 管楽器がとぼけて吹いたパヴァーヌの旋律に、ひっそりと提灯のぶら下がっている温泉街の坂道に、空虚な欲情が見えています。 見馴れない暗闇もスペイン狂詩曲に見えてくる。 上下逆にして世界地図を眺めている気分。 これを聴かずにラヴェルを聞いたことにはならないと、また勝手に思っているのです。

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104 ラヴェル 道化師の朝の歌 マ・メール・ロワ 逝ける王女のためのパヴァーヌ  スペイン狂詩曲  A.アルヘンタ セント・ソリ管  録音1956年 スコラ・カントゥルム  ピンクに白のル・クラブ・フランセ・デュ・ディスクレーベル(オリジナル) フラット重量盤  E;J.P.ルグラン  ラヴェルを体質的に捉えた演奏。 たとえばリズム。 舞台の上で踊るのではなく、土煙の上がる広場で踊るのが見えるリズムで繰り広げられるアルボラータ。 第三者として語るのではなく、じかに情景の中に引き込んでいるマ・メール・ロワ。 恋人にさよならを告げるパヴァーヌ。 皆一人称のなかにラヴェルがいる。 好録音でもあり、横にではなく縦に飛んでいくような再生をこころがけると、感銘は倍化します。 フランスプレス

ガイドブックで推薦される名盤ではありません。
だから聴いて欲しいのです。



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