2020年07月26日

重量盤

クラシックLPのラベログラフィを取り出す。この本、レーベルの変遷だけでなく各国のレコードの重量も記録されている。全部を量ったわけではないが、面白い試み。独ELECTROLA?東独ETERNA?露MELODIYA?それともSUPRAPHON ???  これらの会社、50年代に240gに達する重いレコードをせっせとプレスしていた。それを上回るヘビーなLPが。独DECCA(LXT2719/1952年発売)と波蘭MUZA(XL0149/1963年発売!!)だ。250gをクリアしている。まだまだ、もっと重い奴がいる。重量盤チャンピオンに輝くのは墺AMADEO(AVRS6022/1955年発売)だ。記録はなんとお270g! このラベログラフィ、ベルリンの友人にもらい受けた。著者は大仰なレコードクリーナをつくったりするアマチュアのコレクタ。ドイツ人で本業は科学者だから正確に重さを量って記録していたに違いない、と、京都でそういう話をしていたら、「これ、もっと重い盤かも・・・」と軽く出されたのがこれ。RIMG2671RIMG2666 ディジタル計で「なんと、276g!!」米MERCURY(MG10012/1950年発売)ファリャ クラヴサン協奏曲、協奏曲とはいうものの室内楽編成の佳曲で、カークパトリック、シュナイダー、バロン、フリーマン、グリーンハウス等による好演。オーボエ奏者ミッチェル・ミラーは、のちにコロムビア音楽部長で合唱団リーダーのミッチ・ミラー。ラベログラフィのMERCURYの項では190gが一番重いことになっていた。ということで、まだまだ記録が出そうな重量盤オリムピックだ。盤の重量に着目した著者には敬意を表するが、資料や本に書いてあることを鵜呑みにしてはまずい。ことにクラシック愛好家は資料に対する姿勢が盲目的だ。
今日180g重量盤というのがLPレコードのお約束ごとになっている。重ければいいってもんではないと、なんとなく気が付いている人も多くなってきた。音がふやけているような、芯がないような。盤材料。レコード産業は重さよりも塩化ヴィニールの研究開発をしてほしい。昔、真空管のガラスは音響用に作られていた。その技術は途絶えてしまい今では絶対にあの頃のガラスは作れない、真空管内部の金属板もしかり、だと聞いた。自転車のタイヤにしても、昔のゴムのほうが数段良いのだそうだ。Thorensのアイドラゴムにしても、どんなに頑張っても現行品はオリジナルの音質にはかなわない。現行品アイドラは180g重量盤の味に似ている。だから、アイドラはむやみに交換したりせず、オリジナルを研磨して成型しなおすようにしている。





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