2007年04月06日
燃える男
「写真は最新のアイドラーホイールのサンプルだ。 完璧を期すために、僕らは100個以上のサンプルを試作しては廃棄してきた。 やっと、パーフェクトなものが出来そうだよ!
今、最終のテスト・サンプルを受け取ったところだ。 このサンプルをイースター期間中に徹底的にテストしてみるが、もし僕のテストにこれが合格したら、とうとう本物のアイドラーホイールが完成したことになる。 今年は、またたくさんの新しい部品を君に紹介できる。 高さ調整ホイール、アルミニューム製トッププラッター、アイドラー・ホイール、パワー・コンディショナー、ツマミ等々。 僕はトーレンスTD124の部品として最高水準のものをどんなことをしても造り上げようとしている。 さっきのアイドラー・ホイールだが、専用ノイズ減少キットが出来次第、サンプルをワン・セット送るから、是非意見を聞かせて欲しい」 スイスの友人から来たメールに僕は火傷しそうだ。 モノをつくる、これは火のような意欲がなければ成し遂げられない。 往年の名機トーレンスプレーヤーに注ぎ込んでいる彼のエネルギーには、何かに憑かれていなければ出てこないくらいの狂気を孕んでいる。
この狂気は本物だと思う。 スイスが誇る手工業職人集団と彼のコラボレーションによる部品の出来はホンモノであり、オリジナルを尊敬する姿勢がある。 なにより自分の仕事に対してクリティックであり謙虚だ。 彼はプライドが高すぎる面もあるが、仕事は信じるに足る。 僕らは暗黙にお互いの音に対する感性を認め合っている。 彼は音だけでなく、音楽も熟知している。 これは、強い。
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