2007年05月18日

REVUE DU SON

Revue du Sonフランスのオーディオ雑誌が届いた。 ”Revue du Son” この号に、「Thorens TD124 スイス精緻のシンボル」と見出しの記事がある。 フランスで活躍するアンプ・デザイナーのジャン・平賀がユルク・ショッパーとパリで会い、ユルクがTD124をデモンストレーションした時のことをリポートしている。 最初のページの写真で、ネクタイを締めて赤ん坊をあやすようにTD124を調整しているのが、ジノだ。 うちでレストアを担当しているT氏と彼はスイスで大の仲良しになってしまった。 Gino職人同士、相通じるものがあるのだろう。 TD124がオーディオ界にセンセーショナルなデビュウを果たし、ガラード、レクオカット、バルテ、レンコ、エラック、マイクロ・トラック、メロダイン、コニサー、アヴィアレックスなどを押しのけてオーディオ愛好家に圧倒的な支持を得た理由説明に始まり、1958−68年の終わりまでに5万台販売された伝説の名機となったこと、そのしたたかな性能、アナログ再興の風潮と人気についてジャン・平賀は適確に解説したのち、本題に入る。 見出しは「ショッパーAGとTD124のルネサンス」、ユルクがトーレンスのエンジニア、ジャック・バッセと遭遇し、彼の助言に基づいてTD124に関する部品を次々と製造し始めた時期が、実は偶然ではなく、アナログの復活機運とぴたりと重なっている厳然たる事実。 これはオーディオ再生機の良識ある進化であると、ショッパーの方向性に賛同している。 Thorens RenaissanceショッパーAGの功績は、世界中にある数多くのTD124をガラクタから、最高水準の再生装置までに生まれ変わらせることにある、ともジャン・ヒラガは書いている。 ことに彼が評価しているのは、モーターのフル・レストアである。 モーター内部の部品まで製造して、4極インダクションモーターの傑作と称されるトーレンス製モーターを、オリジナル発売時の性能以上までその能力を向上させてしまった熱意を取り上げている。 これはモーターというハードを売ることではなく、モーターを生まれ変わらせるソフトを売るという、これまでにないオーディオのサービスのあり方だ。 このインタヴュー後、メシュウ平賀はショッパーAGに対し、個人で使用するために二台のTD124と非磁性体プラッターを二つ注文したと聞く。 以上REVUE DU SON誌2007年3月号より


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