2007年06月23日
超精密センタースピンドル
以下はレストア担当T氏のコメント。 「スイスSchopper社製のTD124超精密センタースピンドルは、変形したプラスティックスピンドル(初期型)の代替品として、又メタルスピンドルの更なる音質向上を目指したウルトラパーツとして開発製造されたものです。 我国での発売にあたり、TD124ユーザーの方々にこの製品の性能を一度解説しておきたいと思います。 音質面での向上のためだけではなく、不当に使用されて変形磨耗したメタルスピンドルケースへの交換パーツとしても最適です。 当社にレストア依頼されたTD124のスピンドルボックスが一見正常に見えるようでも、劣化したものがしばしば見受けられるからです。
その原因は粗悪なオイルの注入とクリーニングをせずに回転させたためにスピンドルケースの磨耗が進んでいることが実に多いのです。 オイルとほこりが混合して研磨剤の役目を果たし、スピンドルボックス内のメタル壁面を削ってしまう場合がほとんどです。 私のレストアでは、クリーニングと研磨により正常な動作に戻すことが出来るのですが、スピンドルシャフトとボックス壁面のギャップが僅かに広がってしまいます。 それらはやや多めのオイルの注入により解決できますが、最小のオイルでスムーズに回転するのが軸受け本来のありかたです。 この壁面の減ったスピンドルケースをショッパー社の超精密スピンドルと交換すると、明らかに音のキレと緻密さのクオリティが向上するのが認識できます。
おそらく現在我国で愛用されているTD124メタルスピンドルケースは専用オイルを使用せずに、回転させているものがほとんどのはずです。 中には明らかにモーターオイルと思われるものが注入されていたりします。 このようなものは代替スピンドルケース低部のメタル金具の変形も進んでいます。 ご自分でこの部分を交換し、正常な動作、あるいはグレードアップをなさりたいTD124愛好家には最適なパーツとしてお勧めします。 音質が断然向上します。 三本のビスで簡単に交換できます。 」 この一年間で百数十台のTD124をレストアしてきたT氏の正直な意見だろう。 センタースピンドル部分は目立たないようだが、結構痛んでいるそうだ。 ここを正常な部品に交換すると、まずスウィッチ/オフにした時の減速の様子からして違う。 回転の質の高さを目の当たりに出来る。 これまでのスピンドルがいかに磨耗していたか実感できるはず。