2007年07月14日
スピーカー側から見たLP録音イクォライザー
レストア担当のT氏が、録音イクォライザーについて表と裏側から意見を述べたので、以下に記す。 あくまで、これはT氏の意見であり、私グレイ阿部は全面的に賛同するわけではないが、後半はユニークな視点から見ていて面白い。 「モノーラルLP時代、RIAAに統一される以前、レコード各社はさまざまなイクォライザーを採用していました。 のみならず、一社においてさえ、本国と海外支社間では、録音イクォライザーが異なる場合もあり、当時のいわゆるモノーラル初期盤を入手された方は、はたしてどのイクォライザー・ポジションでマッチングするか、半信半疑の境にあるかと思います。 私の場合、例をあげるとすれば、モーツァルトの曲が一番わかりやすいのですが、ヴァイオリンのピッチを覚えておき、それに合わせてセレクターを合わせてみます。 再生するレコードのイクォライザー特性についての知識は参考程度にとどめておきます。 案外、自分が信ずるに足る情報により決定したイクォライザーの選定は微妙に違っており、レコードはAESのはずなのに、RIAAポジションでトーンコントロールを調整したほうがうまく再生できる場合もあるという経験をなさった方も多いはずです。 ご存知のとおり、イクォライザーのターンオーバーは200〜800Hz、ロールオフの高音部転換周波数は1000〜2500Hzです。 イコライザー・セレクターのあるコントロールアンプ(プリアンプ)を使用する際のポイントは、トーンコントロールのBASSとTREBLEの利き方、つまり低音と高音のツマミを回すと、どの周波数から利いてくるか、という点です。 しかしこのセレクター付きアンプはどれも古いものですので、資料があれば良いのですが、大概よく判らないのです。 また、アンプを修理された技術者の技量も大変重要です。 もし、イクォライザーに関する知識を持ち合わせていない方にいじられた場合、最悪の結果になるのは推して知るべしです。 つづく」 次回はいよいよ佳境に。