2007年07月15日
スピーカー側から見たLP録音イクォライザー その2
以下はT氏が述べる録音イクォライザーについて、昨日の続きを。 「録音イクォライザーに関してはいろいろな記事が書かれておりますが、私が考えるには、これらはすべて入力信号とその処理、すなわちレコード、カートリッジとプリアンプリファイアーの関係について述べたものばかりのようです。 しかし、ここではまったく逆から、すなわちスピーカー側から見たイクォライジングを考えてみます。 LP録音特性の代表的なもの、LP・AES・NAB・DECCA・RCA−OLD・RIAAなどの録音曲線を見ると、注目すべきことがあります。 それは低音域転換周波数は400〜800Hz、高音域転換周波数は1000〜2500Hzの間に収まっているということです。 その前者、つまり低音域転換周波数の値が、古典的な大型2ウェイスピーカーのクロスオーバー周波数と一致します。
また高域転換周波数の値は、業務用モニタースピーカー15インチ同軸型のクロスオーバーである1000〜2500Hzと一致するのです。 それが偶然の一致かあるいは意図的に為されたのか、はたまた人間の聴感により決定されたのかは不明です。 しかし、この事実から15インチ同軸型スピーカーの特性を低音域ではキャビネットにより、そして中高域はレヴェル・コントロールにより調整するのが適切な方法だとわかってきます。 また、古典的大型2ウェイスピーカーシステムにおいても、適切なイクォライザーを選択することにより、音色が激変します。 『音楽は低音の奴隷だ』とのたまったミュージシャンがおりましたが、RIAA以外のLPを再生する場合に留意すべきは、中高域は低音のハーモニクスの上に成りたっているという事であり、逆に中高域をコントロールして変化させると低域も鳴り方が変わってしまうということです。
それを忘れると、プログラムソースの種類により常に音楽表現が変わってしまい、そのたびに徒労に終わるチューニングをせざるを得ないという泥沼状態に陥ってしまうのです。
ではフルレンジ・スピーカーにおいては、どうなるかという事なのですが、この場合エンクロージャーの特性により仮想2ウェイ現象が発生すると考えられます。 そこで、イクォライザー・アンプとレコード録音特性という入り口に呼応して、出口であるスピーカーエンクロージャーとユニットの形式のマッチングの相性が浮かび上がってきます。
レコードのイクォライザーとプリアンプのセレクターの選択が適切であるにもかかわらず、思ったような再生音が得られないとき、この結果をスピーカーのクセと片付けてしまっていいのでしょうか。 クセというのは言い換えれば、特性であり、スピーカー固有の個性であり、これを失くすという事は『角を矯めて牛を殺す』ことになりかねません。 では、この問題の解決法はいかに? つづきはまた、」 それにしても、よく判らない。
写真はLONDON WESTREX業務用スピーカー/仏SUPRA-VOXユニット/フランス放送局制式モニタースピーカー(上ユニット内蔵)
ではフルレンジ・スピーカーにおいては、どうなるかという事なのですが、この場合エンクロージャーの特性により仮想2ウェイ現象が発生すると考えられます。 そこで、イクォライザー・アンプとレコード録音特性という入り口に呼応して、出口であるスピーカーエンクロージャーとユニットの形式のマッチングの相性が浮かび上がってきます。
写真はLONDON WESTREX業務用スピーカー/仏SUPRA-VOXユニット/フランス放送局制式モニタースピーカー(上ユニット内蔵)