2007年07月26日
TD124 修理不能なスピンドル
124型のセンタースピンドルで使用不能なものは滅多にありません。 ごくたまに致命的欠陥を持つセンタースピンドルに出くわします。 スピンドルが曲がっているのではなく、上三分の一あたりについている受け皿型金具の取り付け部の不良です。 取り付け部の不良が何故起きるかというと、メンテナンス等でメインプラッターを外した際、誤って落下させたか、あるいはセンタースピンドルを取り付けたままセンタースピンドル取り付け部に負荷をかけるような起き方をしたために、トラブルになったと考えられます。 これは受け皿型金具が変形するわけではなく、取り付け部に瞬間的な衝撃を与えたために起こる角度のズレなのです。 こうした『事故』は、すべて3本のメインプラッター取り付けネジをはずしておかずに、作業を行った結果として起こったものです。
こうした『不良』のセンタースピンドルにメインプラッターを乗せると、プラッターの外周が上下に振れ、場合によってはカートリッジがトレース不能になったり、ダメージが大きな場合はシャシーとプラッターが擦れることもあります。 124型においては、工場出荷時のスピンドルの成型組立精度はきわめて高いものですから、通常はメインプラッターの外周部の揺れはほとんど生じないといっても過言ではありません。
こうしたセンタースピンドルの不具合は、修理不能です。 こうなったらスピンドルシャフトの交換しかありません。 ただそういう場合も問題がないわけではありません。 ネットなどで交換用スピンドルシャフトを求めた場合(滅多にそういう出物はありませんが)今度は、お持ちのスピンドル軸受ケースに入れて正常な動作が期待できるか、実際にやってみないとわからないのです。 メタルタイプの軸受の場合、スイス・ショッパー社製の超精密スピンドルベアリングセットとの交換ならば、最高の結果を得られますし、オリジナルより数段上のスペックを有しております。 音質面での試聴結果も抜群でした。