2007年09月20日

高出力カートリッヂ

以下、T氏の意見
最近、オフィスで使用するカートリッヂが高出力型が多くなってきました。 レコード検聴用でハードな使用に耐え、かつ交換針が安価で容易に入手可能で、今後十年以上は継続して製造提供してくれる。 そうした厳しい条件に合致するのは、そう、シュア社製M44カートリッヂにほかなりません。 現在はクラブ系ミュージックシーンで繁用されてお馴染みのM44、これが良いのです。 Shure M44今使用中のものは古いタイプのM44ですが、新しい交換針も問題なく使用できるので、ありがたいのです。 70年代当時、安物あつかいされていたM44が、なぜこんなに良く鳴るのか。 レコードプレイヤーには、高出力カートリッヂと相性の良いものと、低出力カートリッジと相性の良いものがあります。 70年代は、MCカートリッヂが主役であり、当時、我が国で発売された高級とされるレコードプレイヤーは、これらMC型やMM型でも比較的低出力型(2〜4mV)を標準にして設計製造されていた、と思われます。 あの頃、私もM44を使用していた時期がありましたが、現在オフィスで使用しているM44とは、これが同じカートリッヂか、といいたくなるくらいに鳴り方が異なるのです。 その原因として最初に挙げなければいけないのが、レコードプレイヤーの質の違いです。 オフィスで鳴らしているアンプリファイアは、出力は10〜25Wのもので、発売された50年当時はいざ知らず、トランジスタアンプとくらべてみると小出力に属します。 しかし、カッティングレヴェルが高い欧米オリジナル盤を高出力カートリッヂでかけると、きわめて鮮度の高い出力信号が高い電圧でプリアンプリファイア部に送り込まれて、力強い再生音が得られるのです。 英コニサーやスイス・レンコ社製等、中級と称されるプレイヤーには、シュアM44は必要にして十分なパフォーマンスを発揮してくれます。 しかし、トーレンスTD124では、M44もそれなりの音を出しますが、やはり役不足の感は否めません。 もっと上質なカートリッヂで実力が発揮されます。 こういう新鮮で活きの良い音を出すM44が、何故70年代には荒さと鉱物的な音を再生していたのか。 高出力カートリッヂでうまく鳴るプレイヤーは低出力型カートリッヂをつけても問題なく鳴るが、どうも低出力カートリッヂが鳴るプレイヤーは、高出力型では鳴らないようです。 70年代に購入されたプレイヤーを現在でも使用しようとして、苦労された方もおありでしょう。 このあたりに、レコードプレイヤー音作りの妙があるといえましょう。 以上T氏。 
Shure M3D僕も昨日、シュアM3(やはり高出力)を自宅に持ち込んで、テストしてみたら、確かに良くは鳴る。 でも、それ以上は無理だった。 格調、質感、ニュアンス。 ソースによっては、それも無視できる。 確かに100メートル10秒台の音ではあるが、10秒ぎりぎりか10秒を切るには至らないといった感じだ。 コンマ何秒の話だが、その差は、実はものすごく大きい。 そのあたりがオーディオの面白いところだ。



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