2007年11月13日

TD124 キャビネット

TD124のキャビネットには、きわめて多くの種類がありますが、それらはスイス本国で作られたものは、市場に出回った数は少ないかと思われます。 US consoles最初の写真は主に米国で製作されたキャビネットであり、合板製、チーク系木材、パーチクルボード、FRP、メープル材等さまざまであります。 そのほとんどが音質の面で失格です。 TD124と組み合わせる場合、合板製のものはあまり音質上このましいものではありませんが、まれに良く作られている場合もあるので、一概に駄目とは言えません。 チーク系のものは、単板で作られており、重くかつ高級感はあるのですが、木材の響きが堅く、ある特定の帯域でピークが出る傾向があります。 パーチクルボード、チップボードは、音の抜けという点で問題があり、音の伸びも良くありません。 メープル材等のあまり堅くない木材の場合、単板のものはやや響きにソリッド感がかけますが、やわらかい響きが得られます。 合板ものの場合、ソリッド感は出ますが、キャビネット本体の鳴きが少々出ます。 これまで、聞いた中で最悪の構造は、マッシュルームゴムを二段に配置させたもので、TD124本来の音質がスポイルされています(右列一番上)。 スイスでトーレンスオリジナルキャビネットを忠実に復刻製作したショッパー製TB12キャビネットは綜合的に見て、音質上特性上共に好ましいキャビネットであることは確かです。 これは四角にテーパーをかけた形状であり、その構造が音質にどれほど貢献しているかは、以前書いたとおりです。 
French and SWISS consolesトーレンスのオリジナルキャビネットではありますが、フランスで製作されたものもご紹介しましょう。 左写真の上のTHORENSのバッヂのものです。 このタイプはテーパーがかけられず垂直に製作され、角を円く処理しているのは同じですが、TB12型に較べてさらにコンパクトになっています。なかなか味わいがあり、棄てがたいジェントルな趣きがあります。 その下にあるのがスイス製オリジナルオールドキャビネットです。 手作り感のする良い細工であり、今でも充分使用に耐える製品です。 スイスのショッパーとジャック・バッセ両氏がこのTB12キャビネットを選んで製作したのは、TD124の最良の結果を出すという点でも、適切な選択だったと思います。 以上T氏
光る水平線今朝は海流が入り混じっているらしく、海面がまだら模様になっている。 水平線は眩しく光り、水銀の海に見える。 


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