2008年01月13日

シリーズ カラード301 その3

 以下T氏

ガラード301のレストア及びファインチューニングについて

もしこの301のモーターノイズ成分を良質なものとする事が出来、それに伴ってローノイズ化をはかれたら、通説のガラード301とは違った再生音が得られるのではと思ったのです。
もうひとつは、ガラード独特のセンタースピンドルの問題で、スピンドル内を研磨し内部の圧力を上げもっと強くスピンドル、シャフトを制御すれば強力となったモーターとあいまって301をさらに高性能なものにすることが出来ると考えました。
この2つの事柄をうまく組み合わせれば、フォノモーターである301をとかく問題になるキャビネットから独立させ自己完結に近い動作をさせる事ができるかもしれず、それによりキャビネットを特別なものにしなくとも良質な再生音が得られると考えられ、301をさらに自由なものになると思ったのです。
しかしこのような作業を実行した場合、慣れ親しんだ301の音そのものを変化させてしまうという問題が生じる可能性があります。

それについては、こう考えてみました。
301は設計時において、まず長期の安定という事を主として製品化されたものであり、その性能において能力的に最大公約的なものとしていると考えてみればよいのです。それをファインチューニングにより最大公約的なものにすればよい訳で、その際301の長所である安定性を保ちながら実現するという事であります。これは301にとって決して不幸とはなりえないと思うのです。

301の発売当時は第一級のフォノモーターであったわけで、必要にして十分あったのですが、現時点では必要にして不十分と言わざるをえなくなっており、TD124が発売当時より性能の向上が図られた今、301はこのままでは頑丈なだけがとりえのヤボなフォノモーターとして終わってしまう事になり、命運尽きてしまいかねません。
今回のレストアは、このことを踏まえて301を現代に通用するフォノモーターとして、生き返らせる事を主眼として行った訳であります。  つづく



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