2008年01月17日
シリーズ カラード301 その7
以下T氏
ガラード301のレストアのポイント
ガラード301は機械仕掛けのフォノモーターであり、そのレストアにあたっては301特有の構造の意味をよく考え、なお完成後の再生音のイメージを確固たるものにしておかねば301から最良の音を引き出す事はできません。
これは大切な事で301はTD124のように各パーツが連鎖的な働きを行わず、単体の働きの組み合わせという構造の為か、その再生音のたたずまいが散文劇的な性格を持ちやすく安易な音になりがちです。
ガラード301でもっとも重要なレストアのポイントはモーターにあります。このモーターの作動音の良否が再生音の品格を決定するのです。この作動音がよくない場合、ガラード301はその再生音において妙に野暮ったい音が出てしまいます、これらは高級なアンプやカートリッジである程度は補整できますが、すこし聴いているうち、やはりお里が知れてしまいます。このような場合は当然モーターの調整がよくないわけですから、モーターは必要以上の発熱を引き起こし、様々な問題を発生させる事になります。
プーリーはよく磨かかねばなりません、プーリーの曇りは音の曇りとなります。
アイドラーはあまりいじらない事です。特にトルクが出ないからといって、サンドペーパーで面出し等はしない方が良いでしょう。301のアイドラーは密着型のスリックタイヤ型なのであまりいじらずにアイドラーが自然にトルクがでるまで回転させておけば良く、あとは時々クリーニングを行えばトルクは回復するはずです。このタイプのアイドラーは早めにトルクが出るとその消え方も速いのです。
ミッション部はクリーニングとオイルの注入により各部ミッション接続のアクが出るまで稼動させたのちグリスアップします。このグリスアップは各回転部の円滑を図るだけでなく、各ポイントのグリスにミッション金具の振動をコントロールすることになります。この作業はガラードの無機的な作動音を心理的に気持ちの良いものに変える事ができるので301のグレードを上げる事になります。また音質面に於いてもより効果をもたらすはずです。301は全体的に必要な箇所以外はオイルやグリスは拭き取っておかねばなりません。モーターの精度や各ミッションが改善され性能が向上するにしたがって、このことは重要になってきます。すなわち必要な所以外は乾いていなければならないのです。これをおこたるとハーモニクスの曇りとメゾフォルテからフォルテシモにかけての音の伸びがやや詰まり気味となり、音の抜けがいまいちとなります。 つづく
ガラード301のレストアのポイント
ガラード301は機械仕掛けのフォノモーターであり、そのレストアにあたっては301特有の構造の意味をよく考え、なお完成後の再生音のイメージを確固たるものにしておかねば301から最良の音を引き出す事はできません。
これは大切な事で301はTD124のように各パーツが連鎖的な働きを行わず、単体の働きの組み合わせという構造の為か、その再生音のたたずまいが散文劇的な性格を持ちやすく安易な音になりがちです。
ガラード301でもっとも重要なレストアのポイントはモーターにあります。このモーターの作動音の良否が再生音の品格を決定するのです。この作動音がよくない場合、ガラード301はその再生音において妙に野暮ったい音が出てしまいます、これらは高級なアンプやカートリッジである程度は補整できますが、すこし聴いているうち、やはりお里が知れてしまいます。このような場合は当然モーターの調整がよくないわけですから、モーターは必要以上の発熱を引き起こし、様々な問題を発生させる事になります。
プーリーはよく磨かかねばなりません、プーリーの曇りは音の曇りとなります。
アイドラーはあまりいじらない事です。特にトルクが出ないからといって、サンドペーパーで面出し等はしない方が良いでしょう。301のアイドラーは密着型のスリックタイヤ型なのであまりいじらずにアイドラーが自然にトルクがでるまで回転させておけば良く、あとは時々クリーニングを行えばトルクは回復するはずです。このタイプのアイドラーは早めにトルクが出るとその消え方も速いのです。
ミッション部はクリーニングとオイルの注入により各部ミッション接続のアクが出るまで稼動させたのちグリスアップします。このグリスアップは各回転部の円滑を図るだけでなく、各ポイントのグリスにミッション金具の振動をコントロールすることになります。この作業はガラードの無機的な作動音を心理的に気持ちの良いものに変える事ができるので301のグレードを上げる事になります。また音質面に於いてもより効果をもたらすはずです。301は全体的に必要な箇所以外はオイルやグリスは拭き取っておかねばなりません。モーターの精度や各ミッションが改善され性能が向上するにしたがって、このことは重要になってきます。すなわち必要な所以外は乾いていなければならないのです。これをおこたるとハーモニクスの曇りとメゾフォルテからフォルテシモにかけての音の伸びがやや詰まり気味となり、音の抜けがいまいちとなります。 つづく