2008年05月03日

欧州のオーディオ風土とTD124事情

以下T氏
現在、欧州のみならず、世界中のアナログ・オーディオ市場で、TD124の評価は高まっており、昨年末よりその価格が高騰しております。 これはスイスのユルク・ショッパーが積極的に押し進めているTD124ルネサンス運動の影響によるものが大であると思われます。 発売時よりかなりの年月が経過しており、今市場にあるTD124は、ほとんどはレストア無しには本来の性能を発揮する事は出来ません。 しかし、レストアを行うには交換パーツが必要となりますし、トーレンス社にストックされていたパーツ類はもはやout of orderであり、信頼に値する代替品もなくレストアを行うのは不可能でした。 これを憂慮したユルク・ショッパーとTD124開発技師だったジャック・パッセ氏の共同作業により、交換パーツ類は信頼に値する復元製造が進行中です。 同時に、TD124のレストア技術の奥義を、バッセ氏は惜しげもなく私たちに伝授してくれました。 こうしてオーディオ市場における、TD124の立場は一変したのです。 アナログオーディオファン、とりわけヴィンテージ市場では新しき潮流となり、すこしずつうねりが大きくなりつつあります。 ユルク・ショッパーはスイス本国のみにとどまらず、オランダ、ドイツ、北欧、アメリカ等の国々で代理店を設け精力的に活動を行っており、各国でデモンストレーションを展開し、目の肥えた欧州のアナログオーディオマニアに大好評をもって迎えられています。 ショッパーは自ら開発したスペシャルパーツを組み込んだTD124をニュー・ヴィンテージと呼び、欧州のオーディオ市場に参入しています。 ショッパー氏のこのような積極的な活動は、TD124というプレイヤーに対する愛情と、それを生み出したスイス人としての誇りに負うところ大ですが、それよりも欧州におけるアナログ・オーディオ市場の事情に起因します。 欧州ではユーザーは新旧とりまぜた機械を使用し、ヴィンテージという物に対してあまり意味合いを感じていないようで、音出しのツールとして利用しているようです。 TD124は我国ではヴィンテージ品として立派に存在感を誇りますが、欧州ではオリジナル品というだけではいかに性能がよくてもそのままではユーザーは納得してくれません。 TD124は現行品のオーディオプレイヤー達と互角に渡り合わねばならず、なにかしらのオプション化をはかりユーザーにアピールしなければなりません。 オリジナルというだけでは欧州のオーディオ愛好家にインパクトを与える事は出来ません。 Paris














ニューヴィンテージTD124は、こうした欧州のオーディオ事情を見据えたのちに生まれたものなのです。  欧州ユーザーたちはTD124を、オリジナルという意味では使用しておらず、自分がインスパイアされる最良と思える方法でセッティングを行っています。 中には明らかに良くないと感じる場合も見受けられますが、それらについては所有者の自由という一言でかたづけられてしまうのが明白なのであえて言及はいたしませんでした。 再生音も、まず自分が良ければ良いというシンプルの極みにあるのです。 欧州人の良しとする音と、我国の良しとする音の根にある隔たりは意外に大きく、その違いは明白です。 現在の日本人の音感覚と相入れない部分が随所に見られるのです。 Winterthur














オーディオ風土の違い。この欧州の音と我国の音の間に横たわる溝をいかに埋めたら良いのか、又はそのまま異なったままでの調和をはかるべきかについて技術的な決断をしなければなりませんでした。 ショッパーが提唱するTD124ニューヴィンテージに対するモデルとして、私たちは昨年アドヴァンスと名付けたモデルを一台だけ販売した事があります。 極めて実験的なモデルで、マーク兇硫擦慮続Δ鯊任素砲辰燭伴負しているモデルでしたが、HP上ですぐに売れてしまいお客様の目に止まる事はなかったと思われます。 日々お客様のレストアの依頼に対応するのが精一杯であった為です。 3月に私たち日本のスタッフが独自に開発した仕様を、TD124にもりこんで『とびっきり1号』と名づけてHP上で販売しました。 このモデルは、新しいTD124の音をお客様に提案するという目的で開発したものです。 ただ、とびっきり第2号の販売はまだ先になります。 何分レストアが立て込んでいる為、時間的余裕を持つ事が出来ないのです。
*写真はパリのレコード店(上)、スイス・ショッパー社の工房(下)



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