2008年05月30日

TD124 電圧変動による速度変化

「TD124の電圧変動による速度変化について」

TD124に使用されているモーターは、インダクション形で電圧の変動により動作が変化します。 これは欠点と言えばそうなのですが、ある面長所でもあるのです。 電圧さえ安定していれば、変動は起さないからです。 しかも電圧をコントロールすれば回転数の調整が出来るのでプロ用では音作りに、コンシュマーユースでは音質の調整に使用する事も可能です。 しかしTD124のようにモーターとアイドラーの間にトランスミッションを持つタイプでは、このような事は行わず電源の安定のみに主眼を置くべきだと思います。 この電圧の変動が起こるのは、使用する側の電源事情によるものであり、ケースバイ・ケースとしか言えないのです。 TD124はこの電圧の変動に対しては重いプラッターとステッププーリーなどの回転系駆動部で受けているのですが、特にプラッターの充分な慣性質量はかなり有効で駆動部の独特な構造と相まって電圧変動による回転への影響をなだらかな特性にして、音質面への影響を避けています。 TD124はインダクションモーターの弱点を回転系全体で補っていますが、あまり頻繁に電圧変動する場合は連動して速度変化を起してしまいます。 特に大型家電等の電源スイッチON・OFには注意が必要です。電源の取り方については、気をくばり、安定した電源を確保してください。 この電圧の問題に対応するためレギュレーターや安定化電源を使用する場合、TD124との相性を確かめてから使用したほうが良いでしょう。 市場にあるこれらの製品は、フォノモーターに使用するに値するものは、あまりないと思います。
ストロボ













「TD124の使用時間における速度変化について」

TD124は最初の起動時には回転がやや早めで、少し時間が立つと遅くなってきます。 TD124のこの速度変化はなぜ発生するかについては、メインプラッターを外し内部の回転トランスミッションの構造を見れば一目瞭然です。 モータープーリーとステッププーリーはベルトで結ばれ、ステッププーリー上部には回転速度切換え部が設けられ、ここにアイドラーが接触され、もう一方でアイドラーはメインプラッター側に接地しています。 この回転系は四つの接点をもっており、それらを連結しているのはゴム製品で、四つの接地面を持つものが瞬時に起動し安定して動作するという事は、その素材構造において望むべきではありません。 ゴム製品が安定してトルクを伝えるためには、回転系に於いては自らの摩擦抵抗による熱が必要であり、それにより初めて安定した力を発揮する事が出来のです。 この熱によるグリップ力の増大が抵抗値として働き、回転速度を起動時より遅くするのです。これは安定し、当たりが出たということなのです。 この発熱によるグリップ力は当然使用する室内の気温により左右されるのですが、TD124の場合24時間連続運転してもほとんど変化は見られません。 所定の温度に達したら、他の要因がなければTD124自体の温度はあまり変わる事はありません。 また、これ以外にもアイドラーやゴムベルトの状態によりグリップ力の差異が生じます。 TD124は一台一台個性があり、その動作もそれぞれです。特にアイドラーの接地面でのゴムの硬軟は影響が大きいのです。 TD124は生き物であり回転速度の変化は素材と構造上の働きによる生理的な現像とみれば理解できるのです。
以上T氏



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