2008年06月07日
TD124の既存キャビネットの劣悪さ(その1)
ほとんどのTD124ユーザーはオリジナルキャビネットではなく、市販のものか、輸入代理店で作られたキャビネットを使用されています。 ご自分の使用しているキャビネットがTD124に対してどのような作用をしているか、オリジナルと比べられない為、知る事は出来ないのです。 それぞれのキャビネットの特長について、試聴した経験から書いてみます。 『チップボードキャビネット』『パーチクルボード、ホモゲン等キャビネット』『合板タイプ』『単板タイプ』『集成材タイプ』『二重キャビネット』 順次ご紹介します。
この結果をご覧になり、本来TD124が持っている音質にキャビネットが重く関わっていることを感じていただければ幸いです。
『チップボードキャビネット』
この材質はガラード301にもよく使われていますが、3cm程の厚さで3枚張り合わせて、くりぬき構造になっているものが多いようです。 チップボードは主に建築用に使用されており、木材をある程度の大きさにし接着剤で固めたもので、接着剤の種類により硬くも柔らかくも出来ます。 表面につき板を貼れば外観は奇麗ですが、音質的には最悪です。音質に対する配慮が何もなされておらず、材質が硬い場合にはTD124の少ない振動ノイズを増幅させ、周波数レンジを狭めSN比を悪化させます。 素材的に空積が多いため、キャビネット総体で増幅させたノイズを溜め込み、そのノイズはキャビネット内部を駆け巡り、TD124のマッシュルームゴムの有効性を失わせます。
このタイプに大きなゴム足やインシュレーターを用いた場合、さらにノイズが酷くなりキャビネットの振動を床面にアースすることが出来ず、ノイズ成分はキャビネット全体で共振し始めTD124の再生音全体を殺してしまいます。 これまで、レストアでお送りいただいたTD124にはこうした積層キャビネットが数多くありましたが、ひとつとしてTD124の音質を生かしてくれたものはありませんでした。 それでも、TD124を積層キャビネットにどうしても載せたい場合は、一台一台、共振と振動アースを吟味しながら、いくつかの工夫と時間をかけなければ無理です。 ですから既製品の積層キャビネットは、避けたほうが無難です。
『パーチクルボード、ホモゲン等キャビネット』
これらの素材構成はチップボードより更に細かく木材を粉砕し、それを接着剤で固めたもので、いわば木のコンクリートと言えます。
これらの特長として表面に何らかのコーティングが施されていないと強度がとれず、何かにぶつかった場合欠ける事があります。 振動の分散等全く不得手でTD124の振動を跳ね返してしまい、シャシーに悪影響を及ぼします。いわゆるキックバック現象を起しやすいのです。 これは建築用の外壁材、サイディングに近い、オーディオに使用するには粗悪な素材です。 音質的には両端帯域をカットした音となり、特に低音部では寸詰まりとなってしまい、ラヂオに似たり寄ったりの周波数特性にされてしまいます。 音色は硬く、ピーキーです。 SN比的には周波数がカットされるので、音色の硬さのゆえに、ちょっとクリアーに聞こえますが、本来のTD124の再生音とは全く異なったものというより、再生音を劣化させています。
以上T氏 つづく
この結果をご覧になり、本来TD124が持っている音質にキャビネットが重く関わっていることを感じていただければ幸いです。
『チップボードキャビネット』
この材質はガラード301にもよく使われていますが、3cm程の厚さで3枚張り合わせて、くりぬき構造になっているものが多いようです。 チップボードは主に建築用に使用されており、木材をある程度の大きさにし接着剤で固めたもので、接着剤の種類により硬くも柔らかくも出来ます。 表面につき板を貼れば外観は奇麗ですが、音質的には最悪です。音質に対する配慮が何もなされておらず、材質が硬い場合にはTD124の少ない振動ノイズを増幅させ、周波数レンジを狭めSN比を悪化させます。 素材的に空積が多いため、キャビネット総体で増幅させたノイズを溜め込み、そのノイズはキャビネット内部を駆け巡り、TD124のマッシュルームゴムの有効性を失わせます。
このタイプに大きなゴム足やインシュレーターを用いた場合、さらにノイズが酷くなりキャビネットの振動を床面にアースすることが出来ず、ノイズ成分はキャビネット全体で共振し始めTD124の再生音全体を殺してしまいます。 これまで、レストアでお送りいただいたTD124にはこうした積層キャビネットが数多くありましたが、ひとつとしてTD124の音質を生かしてくれたものはありませんでした。 それでも、TD124を積層キャビネットにどうしても載せたい場合は、一台一台、共振と振動アースを吟味しながら、いくつかの工夫と時間をかけなければ無理です。 ですから既製品の積層キャビネットは、避けたほうが無難です。
『パーチクルボード、ホモゲン等キャビネット』
これらの素材構成はチップボードより更に細かく木材を粉砕し、それを接着剤で固めたもので、いわば木のコンクリートと言えます。
以上T氏 つづく