2008年06月10日
TD124の既存キャビネットの劣悪さ(その2)
『合板タイプ』
12ミリ〜15ミリくらいの合板を組み合わせ、つき板を貼ったもので主に海外の代理店が独自に作ったと思われます。 音質的な面でいえばそれほど悪いものではありませんが、それ以上、それ以下でもないものです。 周波数レンジ的には最低域と最高域が伸びず、もどかしさを感じます。 スクエアなタイプが大半ですが、オリジナルキャビネットと同様に作られたものはそれなりの持ち味を持っており、クリアーさはありませんがそれほど悪くありません。 ただレストアされたTD124、特に性能が向上したモデルでは完全に負けてしまい、TD124の音のエネルギーに耐え切れず再生音が腰砕けになってしまいます。
『単板タイプ』
稀に単板で作られたものもありますが、かなりいい加減な仕上がりになっている物がほとんどです。
音質的には単板とはいえ、堅木を使用しているものが大半なので、TD124のエネルギーを跳ね返し振動波長が合いやすく特定の周波数帯域でピーク音を発生させ易くなります。 このピーク音はひとつではなく、あらゆる周波数帯域で起こりTD124本来のフラットな再生周波数帯域をランダムなものとしてしまいます。 つまり、ラクダのこぶのように周波数帯域に出っ張っているわけです。
『集成材タイプ』
キッチンカウンターやテーブルに使用される材質で作られたもので、単板タイプとチップボードの中間のようなものです。 振動モードが揃いやすく再生音がこもりがちに、ブーミーな音になりやすい。 太い足やインシュレーターを使用した場合、更に状況を悪化させます。 これを積層した場合は最悪であり、アイドラー型プレイヤー用ではなく独立したシャシーを持たないDD型プレイヤーに使用すべき代物です。
『二重キャビネット』

外枠の中に独立した内枠を持つタイプで、トーレンスの米国輸入代理店が製作していました。 スイス本国のトーレンス社では製造しておりません。 これは電源による振動が大きいという海外の電源事情に起因すると考えられます。 それらを避けるためにTD124本来の床面にアースする効果より、床からの振動が多いなどを考慮した結果ではないかと推測できるのです。 このような事は国内ではあまり見られずあえてキャビネットを二重にすることは無意味です。 肝心の音質面となると、強度が不足している為か音がグチャグチャで、レストアされたTD124にとっては役不足以外の何者でもありません。 写真にあるように黒い板の四隅にマッシュルームを敷いた上に、もう一組マッシュルームでTD124本体を支えているという構造では、音が踏ん張れないのです。 ふかふかマットレスの上を歩くようなものです。
『インシュレーター型』
このタイプは、時々レストアの際見かけることがありますが、構造としては4本の太い棒状足のみ、その足同士を連結したものがあります。 この4本の足は長めのインシュレーター的な働きをすると思われ、上部はTD124高さ調整ボルトにねじ込むようになっています。 下部はゴム足、プラスチック変形インシュレーター等が組み込まれています。 この4本足構造のものがいつ頃から、何の目的で作られたのか定かではありませんが、構造的に見ればTD124と組み合わされたその姿は海底油田の掘削やぐらのごとき不安定そのものです。 キャビネット自体が存在しない為、TD124の下部のモーターやトランスミション部が丸見えで、外観的にも美しいものではありません。もちろん、音質は語る以前の問題でした。
以上TD124用のキャビネットらしき物について、かなり辛らつな言葉で語ってきましたが、TD124を専門に取り扱い、レストアを行う立場から正直に伝える義務があると感じたからです。 というのも、これらのキャビネットのほとんどは、職人が真剣に製作したとは言いがたい出来で、やっつけ仕事としか思えないのです。 TD124におけるキャビネットの重要性についてはまだまだ認識不足と思われ、ご自分のキャビネットがTD124に対してどのような働きをしているか、ほとんどのユーザーはこれまで知る術がありませんでした。 粗悪なキャビネットがあまりに多く、これらがTD124本来の性能をスポイルしている事に気づいていないのが現状です。 TD124というプレイヤーは、その性能が向上すればするほどキャビネットの重要性が増してくるプレイヤーです。 以上T氏
『単板タイプ』
音質的には単板とはいえ、堅木を使用しているものが大半なので、TD124のエネルギーを跳ね返し振動波長が合いやすく特定の周波数帯域でピーク音を発生させ易くなります。 このピーク音はひとつではなく、あらゆる周波数帯域で起こりTD124本来のフラットな再生周波数帯域をランダムなものとしてしまいます。 つまり、ラクダのこぶのように周波数帯域に出っ張っているわけです。
『集成材タイプ』
『二重キャビネット』
外枠の中に独立した内枠を持つタイプで、トーレンスの米国輸入代理店が製作していました。 スイス本国のトーレンス社では製造しておりません。 これは電源による振動が大きいという海外の電源事情に起因すると考えられます。 それらを避けるためにTD124本来の床面にアースする効果より、床からの振動が多いなどを考慮した結果ではないかと推測できるのです。 このような事は国内ではあまり見られずあえてキャビネットを二重にすることは無意味です。 肝心の音質面となると、強度が不足している為か音がグチャグチャで、レストアされたTD124にとっては役不足以外の何者でもありません。 写真にあるように黒い板の四隅にマッシュルームを敷いた上に、もう一組マッシュルームでTD124本体を支えているという構造では、音が踏ん張れないのです。 ふかふかマットレスの上を歩くようなものです。
『インシュレーター型』
このタイプは、時々レストアの際見かけることがありますが、構造としては4本の太い棒状足のみ、その足同士を連結したものがあります。 この4本の足は長めのインシュレーター的な働きをすると思われ、上部はTD124高さ調整ボルトにねじ込むようになっています。 下部はゴム足、プラスチック変形インシュレーター等が組み込まれています。 この4本足構造のものがいつ頃から、何の目的で作られたのか定かではありませんが、構造的に見ればTD124と組み合わされたその姿は海底油田の掘削やぐらのごとき不安定そのものです。 キャビネット自体が存在しない為、TD124の下部のモーターやトランスミション部が丸見えで、外観的にも美しいものではありません。もちろん、音質は語る以前の問題でした。
以上TD124用のキャビネットらしき物について、かなり辛らつな言葉で語ってきましたが、TD124を専門に取り扱い、レストアを行う立場から正直に伝える義務があると感じたからです。 というのも、これらのキャビネットのほとんどは、職人が真剣に製作したとは言いがたい出来で、やっつけ仕事としか思えないのです。 TD124におけるキャビネットの重要性についてはまだまだ認識不足と思われ、ご自分のキャビネットがTD124に対してどのような働きをしているか、ほとんどのユーザーはこれまで知る術がありませんでした。 粗悪なキャビネットがあまりに多く、これらがTD124本来の性能をスポイルしている事に気づいていないのが現状です。 TD124というプレイヤーは、その性能が向上すればするほどキャビネットの重要性が増してくるプレイヤーです。 以上T氏