2008年06月16日

TD124の動作音

完全にレストアされたTD124は、ユーザーにレコードを聞く楽しみを与えてくれます。 TD124本体の動作音は、現在のプレイヤーのように完全に無音ではありません。 駆動系それはTD124にあるユニークな構造、つまりベルトアイドラー方式と呼ばれる独自の回転系の仕組みによります。 これは現在のベルトドライブプレイヤーのように、回転系が一方向にのみ滑らかに動作するというものではなく、各回転系が作動すると、それぞれの働きの一部が別の動作を伴って回転します。 各部には摩擦抵抗値が設定されています。 また回転する部品同士の接触面積が通常のアイドラー型プレイヤーに比べ、単純に足し算しても大きいのは明白です。 その分回転系全体のノイズの発生を招きやすいという欠点もあるのです。 プラッターの下 ノイズを軽減させるには、各部回転系のバランスを取る事が、重要になります。 トーレンス社の精巧な工作技術がそれを可能にし、結果としてTD124自体の動作時のノイズを、許容範囲以下に低減しています。 僅かに発生する動作音は、TD124が純然たる機械である事の証しです。 機械でありながら、有機的な生命を持ったものである事を、所有者に感じさせてくれます。 現代プレイヤーを使い慣れたユーザーにしてみれば、ただのノイズとかたずけるかもしれません。 しかし、それはTD124の設計に携わった技術者たちが、より良い音楽的な再生音に焦点を絞った結果として、生み出したメカニズムの、必然的な産物でありノイズでもあるのです。 以上T氏



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