2008年06月17日

ステッププーリー、アイドラー回転時ノイズ

TD124の回転部分では、ステッププーリーとアイドラー部が、それぞれ固有ノイズ発生を招きやすいところです。 レストア以前のTD124ではあまり目立ちません。 それは、レストア以前のTD124は、全身衰弱ベット寝たきり病人状態であり、人間で言えば心臓にあたるモーター自体が不調なのですから、当然回転エネルギーやトルクは不足しています。 ステッププーリーやアイドラーにノイズを発生させるだけの、力が与えられていないのです。 私たちがレストアした後のTD124は、回転部位における動作時ノイズがほとんど聞こえないレベルまで調整します。 無音というわけにはいかないのですが、意味合いはレストア以前のものとは全く違っているのです。 これらの部位からわずかな回転ノイズが聞こえるという事は、TD124が静かに動作しているという証明でもあるわけです。 レストアされていないTD124は、たとえかなり程度の良い物でも、各部回転系に不規則なノイズ発生があります。 しかし全体としてのノイズレベルが盛大なので、回転部のノイズはマスキングされて気づきにくくなっています。 Grease bottleわずかなノイズをいかに減少させるか、レストア最終工程における、最重要課題であり、私たちはノイズの大小よりも、ノイズ成分の質的なものに一番の注意を払います。 大切なのは、ノイズの質を再生音に影響しない質に変えていく技術です。 それでは、ステッププーリーについて話しましょう。 初期型や中期型に見られる皿型のタイプに、特有の鳴きを発生することがあります。 今となっては、この鳴きという現象も入念な研磨と適切なオイルやグリース
の注入により解決しています。 レストア済のTD124をご使用の方は、お送りしたマニュアルどおりメンテナンスをして下されば、これらのノイズが発生しても押さえ込む事ができます。 ステッププーリーの鳴きは、ベルトとプーリー、ステッププーリーの連動部が汚れた場合、ステッププーリーが『わらう』現象から発生する場合があります。 これは複雑な現象で、やはりレストアしていただかないと、解決はやっかいです。 中後期マーク義竿未忙藩僂気譴討い襦∋吋織ぅ廚離好謄奪廛廖璽蝓爾鰐弔にくいのですが、各部の汚れによりノイズが発生しやすいタイプです。 レストア済のモデルでも適切なクリーニングが必要です。 次にアイドラーホイールについて。 レストア前のTD124は、アイドラー回転軸内部の汚れが原因で、回転不良を起こすケースがとても多いのです。 アイドラー部が不調となると、モーターが生きていても、2〜3割のトルク不足が起こります。 ノイズは、アイドラー自体のコンディションにより差が生じます。 私たちがレストアをさせていただくときは、オリジナリティを尊重するゆえに、アイドラーは交換せず、なるべくそのまま使用するようにしています。 たしかに古いアイドラーを生かすにはなかなか苦労するのも事実です。 この部分のノイズの発生の源は、回転部中央の合金リングの酸化による錆びが主たる原因で、たとえオリジナル新品デットストック品であっても、合金リング内部を入念に研磨しないと、回転ムラが発生します。 しかるべく道具で、しかるべく技術で研磨しないとケガをしますのでご注意ください。 研磨後に入念にクリーニングしても、オイルを注油し回転を開始させると、今度は金属芥が発生します。 長年の使用により、合金リング内が汚れや錆びで腐食し、それにオイルがまわって表面に出てくるのです。 金属芥を排除するには、研磨とクリーニング及び注油を再度施し、ある程度のレベルまで取り除く工程を経ねばなりません。 レストア後でさえこのような作業を行わねばならないのですから、レストア以前のTD124となると、オイルを注すだけでは、ただアイドラーが回転するのを助けてやるだけのことで、音質面ではなにも貢献していないのです。 アイドラーとメインプラッターの接触ノイズの問題解決を計るため、スイスのユルク・ショッパー氏は、新作のアイドラーを実験製作中です。 それは合金リングの代わりに、テフロン製ワッシャーをはめ込むことによりノイズを低減させ、走行音も極小にするというスグレモノです。 スイスで試作品を見て聴いた結果、効果は顕著に認められました。 完成すればTD124の抱えるこうした問題点を解決に導く大きな一歩となるはずです。 以上T氏


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