2008年07月01日

スウェーデンから届いたフォノイコライザー 6

Columbia LP / NAB / RIAA はいづれもターンオーバーが500Hz となっている。 3つのイコライザーカーブの低域特性は同じということになる。 初期LP愛好家なら一度は、『おかしい』と思ったはずだ。 OLD-LP/NAB/RIAA の低域がどれも同じに聞こえるなら、イコライザーカーブ云々はよしたほうが良い。 誰でも違いを聞き分けられるくらい、その差は大きい。 イコライザーカーブを2つの数値、ターンオーバーとロールオフだけで決定している限り、こうした矛盾はぞろぞろ出てくる。 トーンコントロールと併用するならまだわかるが、それもなしで2つの切り替えだけで適応するイコライザーを決めるのは乱暴すぎる。 この問題は、バス・ロールオフが鍵となる。 ランブル・シェルフとも呼ばれる、レコードのグルーヴノイズとプレイヤーのランブルノイズの軽減を考慮して低域特性に組み込まれた第3の数値である。 これがイコライザーを構成する上で不可欠の要素になる。 先ほどの OLD-LP/NAB/RIAA のバス・ロールオフ周波数は、それぞれ100Hz/70Hz/50Hz となる。 これで同じ500Hzのターンオーバーを持つ3つのカーヴにおける低域特性の不可解は解決する。 
詳細な説明は HOW TO EQ OLD RECORDS
http://geocities.com/midimagic@sbcglobal.net/mixphono.htm のページ上 ELEMENTS OF PHONO EQUALIZATION の項に詳しく書かれている。 そこにある rumble shelf が、この機器の BASS Roll-off と密接に関連するのが理解できる。 また一歩、未知のイコライザー世界に踏み込んだ感が強い。 つづく

EQ10 裏面 INPUT


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