2008年07月02日

スウェーデンから届いたフォノイコライザー 7

前々回のフォノイコライザー 5 で英デッカのカーヴについて書いた。 LXT2601ここにもう一枚古い英デッカ盤がある。 ボスコフスキー四重奏団(バリリ四重奏団と同時代に結成していた)奏でるところのドヴォルザークの弦楽四重奏曲(LXT2601)。 あまりに麗しい響きの色がしていて、現代の四重奏団ではなかなか出せない色気がある。 ところが、この盤は再生が難しい。 低域が膨れてしまい、バランスのとれた再生はほとんど不可能に近かった。 PYE control amplifier














ボベスコのフォレのヴァイオリンソナタのようにffrr78回転カーブともまた違うらしく、厄介なのだ。 一番良質な再生は、イコライザーに頼らず、通常のコントロールアンプの bass を減らして低音の過剰感をなくして、treble をわずかに増すという方法が鮮度を失わずに再生できる最善の方法だった。 皮肉なことだ。 以前このレコードを、国産フォノイコライザーをプリにつないで聞かせていただいたことがある。 ffrrポジションで聴いたが、とてもカーブ云々という状態の再生音ではなかった。 電気臭い再生音になってしまい、音の鮮度が失せて、それこそ隔靴掻痒のていたらく。 初期盤は音の鮮度が命なのに、フォノイコライザーをプリアンプにつなぐという愚行、音は死ぬ。 直接メインアンプに接続しない限り、フォノイコライザーは生きない。 フォノイコライザーで適切なイコライゼイションを施し、コントロールアンプのトーンコントロールで音を整える、というのは机上の空論に過ぎない。 微弱な信号が、そんなに多くの変換機を通されるのは、悲劇だ。 レコードに精通していない製作者が限られた数値と憶測で製作したフォノイコライザーを使用するくらいなら、50年代に製造されたいくつかのイコライザーポジションとトーンコントロール付のアンプをちゃんと調整して使用したほうがすんなり音楽に入り込めるはず。 ずっとシンプルでもある。 
 
OUTPUT ATTERNUATORボスコフスキー四重奏団をオフィスのEQ10フォノイコライザーを使用してテストする。 予想通り、4種のデッカカーヴの中で、最初から2番目(1951)がピタリと決まった。 四人の奏者のダイナミクスが見えるように再生されるから、弦楽器の絡み合いが目の当たりに見える。 この盤から響きがこれほどきれいに震えたのは、初めてだった。 古いレコードはまず音鮮度、それから音色、そしてイコライザー。 聴いて体が揺れれば、ほんものだ。 つづく
*このフォノイコライザーには出力アッテネーターがあるので、メインアンプに直接つないで音量調整可能。 フォノ入力専門のプリアンプという意識で使用できる。  



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔