2008年09月08日

EQ10及び、フォノイコライザーについての考察−1

今日から、T氏がフォノイコライザーについて書く。

私達は、スウェーデンのベルンストロム氏製作になる、フォノイコライザープリアンプEQ10を販売しています。お客様から多くのお問い合わせが寄せられました。TD124ホームページでの紹介は簡素なものであり、限られた紙面では充分にお客様に内容を知って頂くわけにはいかず、理解出来にくいかもしれません。本機のみならず、フォノイコライザーアンプについては、さまざまな仕様の製品が、オーディオ市場に出ており、ユーザーにとっては選択技が広がる分、悩み深くなりがちであります。そこで今回もう一度、フォノイコライザーというものについて、少し考えて見たいと思います。
1CDが発売されて20年が経過したあたりから、アナログレコードの良さが見直されるようになり、それまで不遇の身であった単体としてのフォノイコライザーに注目が集まり始めました。市場には様々な仕様の製品が出回るようになります。この時点では、単体のフォノイコライザーは、それまでの立場を変え、オプション的な強みがもてはやされました。が、長くは続かず、フォノイコライザーを搭載したプリアンプが登場することにより、フォノイコライザー単体としての強みは、再び危うくなってきました。フォノイコライザー単体の独自性を確立しなければ、製品としての魅力を失い、ユーザーの購買意欲をそそる事が難しくなったのです。RIAAだけのフォノイコライザーでは、利便性という観点から見ても、フォノイコライザーを内蔵したプリアンプに対しては不利です。何か新しい魅力的な特長を持つ製品が待たれていました。23単にクオリティの高いだけの製品では、ユーザーを満足させる事は出来ない時代に入ったのです。そこで目を付けたのがRIAAに統一される以前の、数種の録音イコライザー切換ポジションを組み込んだ製品であり、それはレコード市場の流通事情の変化と呼応するかのように市場に現れました。4海外ヴィンテージ初期盤が以前とは比べ物にならないほど、容易に入手できるようになったのです。やがてヴィンテージレコードの再生には、専用のイコライザー補正回路が不可欠なのも衆知の事実となります。多様なイコライザー曲線に対応できる切換ポジションを持つフォノイコライザーが、本来の働きから見て、今後の主流となるのかもしれません。 つづく

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