2008年12月12日

TD124における再生音のローエンドとボトムエンドについて 2

以下T氏のディープなおはなしのつづき
溶解点と融和点 
それはこのボトムエンドを構成する成分についての事であり、主なものとしては、レコード盤自体のもの、録音に起因するもの、カートリッジのトレースひずみ、アームの共振によるノイズ等、言い換えればノイズ成分の集合体であり、未分離のカオスともいえましょう。 リスナーにとっては有害とさえいえるものであります。 この状態はローエンド部とボトムエンドが重なった、二重の層として存在する事になります。 ローエンド部の下部とボトムエンド部の接点において、再生音にとっては好ましい事ではないのですが、結果として、それは音の濁りとなって現れてきます。 当然起こり得るこうした現象をTD124のプラスチックスピンドルは、絶妙に対処しており、この現象を逆に利用して、ローエンドのノイズ成分をローエンドの音楽ハーモニクスと調和させるという離れ業をやってのけます。 結果としてローエンドの低域ハーモニクスは、ボトムエンド部のノイズ成分を味方に付ける事になり、音楽的なハーモニクスをさらに豊かにする結果をもたらします。この現象の働きを私はナチュラル・デストーションとよんでおります。 しかしこの現象がつねに発生するかと問われれば、必ずしもそうではないのです。 それはボトムエンドの性質による所が大きいのですが、私が考えるにTD124の初期型モデルでは、ボトムエンド部はある特定の帯域に留まっていると想像しています。 それはローエンド部の帯域から独立して存在しており、ナチュラル・デストーションを発生させるには、ローエンド部がボトムエンド部帯域まで下降して行かない限り発生しないと考えています。 つまりアームやカートリッジがそれ相応のものでなければ発動しないという事です。 初期モデルの場合、ローエンド側の音楽的ハーモニクス成分が、部分的にボトムエンド部に深く進入してしまい、それによりボトムエンド部のノイズ成分が影響を受ける事になります。 これは、ハーモニクス成分とノイズという異なったもの同志が反応するわけですから、この溶解点の発生において、初期型TD124のディープバスはアンプリアイアーやスピーカーに対して、再生音における低域再生時に安定した深い音楽信号を送り込む事が出来るのです。 またエンポリウムモデルを使用することにより、通常より低い音が出ていると評価された場合、このモデルは組み合わせた他の再生装置(アンプリファイアやスピーカー)に対して充分な低域再生音をもってドライブできるという事になります。 しかしながらディープバスの安定供給については、レストア品と私たちが販売するTD124とでは残念ながら同じとはいきません。 販売品の場合は充分な時間をとり調整して、完成される訳であり、アームやカートリッジの選択においても、お客様の要望に添うようにチューニングする事が可能ですが、レストア品の場合はユーザー自らがこれらの作業を行わなければならず、製品としての溶解点はユーザー任せとなり、それらの是非についてはわたしたちの及ぶ所ではありません。 つづく

ところで、この一週間ほど、朝の空気が宝石のようだ。 港は例年になく近海もののマグロ漁でにぎわっている。 これがうまい。 陸ではキャベツがすくすく育っている。 この地は食糧自給率250パーセントだとか。 魚も野菜も米も肉も果物も、水もあるから、ひょっとして自給自足できるか?  
鰯の丸干し 
これはT氏が勧める、日向の匂いのぷんとする鰯の丸干し。 この町でもとびっきり一番の味加減なのだそうだ。


無人野菜販売
無人販売も、小さいながら、季節の野菜を、プロの農家ではなくただのおばちゃんが育てている。 懐かしい味がして、きれいなみどりいろしたホーレンソーに、いま熱中している。
そーゆーこってす。


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