2009年02月06日
GARRARD 301 初期グレーモデル その 2
その細部
モーター
301グレーモデルのモーターの特長は、電磁コイルが401に比べてかなり大きく、シールド材には黒色の布が巻かれています。 ローターは重量が大きく、特に空冷用フィンが以後のモデルよりずっと大きいものが取り付けられています。 フィン回転時の働きについて、揚力が発生するかどうかは分かりかねますが、レストア後の調整では、わずかにローターが浮き上がってくるという現象がみられます。 あながち無関係とは言い切れません。 グレーモデルに取り付けられた初期モーターは、電源OFF後の回転落ちが早く、5〜7回転で停止してしまいます。 起動は15Vで通常の301とほとんど変わりません。
プーリー
プーリーは通常の301とは素材が異なっている様で、いくら磨いてもピカピカになるという事はなく、やや青みがかった色で重量的にもやや重いと感じられます。
エディカレント円盤プレート
本機のホイールは厚く重くがっちりとした物で、中央部に文様が刻まれています。
アイドラー
アイドラーは、相当の年月が経っているにもかかわらず、充分使用に耐える物でありますが、そのグリップ力の強大さは最大値を示します。 重くかっちりと作られており、通常の301のものとは少々異なった純正品といえます。
トランスポート部
相当な年月が経っているのにもかかわらず、錆びの発生もなくきれいな物です。 素材にかなり良いものが使用されていて、クリーニング後のオイル注入を行った後の調整でも、金属アクが発生せず円滑に動作します。 通常の301では、トランスポート部のアタリを取る手動での動作工程で、回転支点部に大量の金属アクが出るのですが、本機はそれもなく、いつまで動かしてもアクは発生しませんでした。 しかしこのトランスポート部の動作となると、通常の301のように当たりを取った後の滑らかな動きとは異なり、それなりの力が無ければ起動しづらく、回転部としては渋い動作と言えます。 全体の動きを見る限り、ユルミやアソビという問題を徹底して嫌った感じを覚えます。 電源スイッチ部はがっちりと奥まで入って電源が入るようになっており、確実性では大変優れた物です。
ノイズコンデンサー
円形の大きな物で、通常組み込まれている箱型の物とは異なっています。 レストア後のテストでも、電源ショック音は発生しなかったので、まだまだ大丈夫のようです。 ひょっとしたらこのノイズコンデンサーは、壊れないものではないかとも考えられるのです。
センタースピンドル
センタースピンドルはグリス仕様です。 一番心配であったスラストパッド台座低部の磨耗もほとんど無く、そのまま使用できました。 オリジナルのグリスを注入して使用した場合、かなりの抵抗を生じます。 実は301グレーモデルにとって、これが特に重要なファクターで、モータートルクの制動に欠かせない働きをします。 センタースピンドルの特長は、回転時にはスラスト部の抵抗は減少し、主抵抗体はスピンドルシャフト、スピンドルボックスのギャップ間に設定されています。 この働きは基本的にグリスタイプ、オイルタイプ共に同じですが、オイルタイプでは当然にその値は減少します。 これはそれぞれの年代のモーターとマッチングして、回転制御と音質面での影響のかかわり合いにある意味を持つ事になります。
シャシー
301グレーと301クリームとの大きな違いは、シャシーの素材の違いが特長で、本機のシャシーは軽く響きやすいのですが、その共鳴はすぐに止まるという性格をもっています。 この素材は、TD124のプロトタイプと共通する点があり、低域のロールオフがやや高くなるタイプと考えられます。 これが301グレーの音質にかなり影響を及ぼしているはずです。 従って通常モデルの部品を変えて301グレー仕様にしただけでは、意味のないことであるのがお分かりいただけると思います。 他に後期モデルと異なる点は、シャシーを固定するネジの取りつけゴムに、真鍮製リングが取り付けられています。 通常の301とは他にも所々異なる所もあるのですが、それらは各モデルの仕様変化程度と考えるべきでしょう。
メインプラッター
メインプラッターもシャシー同様、やや軽めに感じられます。 叩くとチーンと清んだ響きがします。 その構造と素材的に関しては、仏クレマン社の業務用プレイヤーと共通した思想が見えてきます。 つづく
以上T氏
モーター
301グレーモデルのモーターの特長は、電磁コイルが401に比べてかなり大きく、シールド材には黒色の布が巻かれています。 ローターは重量が大きく、特に空冷用フィンが以後のモデルよりずっと大きいものが取り付けられています。 フィン回転時の働きについて、揚力が発生するかどうかは分かりかねますが、レストア後の調整では、わずかにローターが浮き上がってくるという現象がみられます。 あながち無関係とは言い切れません。 グレーモデルに取り付けられた初期モーターは、電源OFF後の回転落ちが早く、5〜7回転で停止してしまいます。 起動は15Vで通常の301とほとんど変わりません。
プーリー
プーリーは通常の301とは素材が異なっている様で、いくら磨いてもピカピカになるという事はなく、やや青みがかった色で重量的にもやや重いと感じられます。
エディカレント円盤プレート
本機のホイールは厚く重くがっちりとした物で、中央部に文様が刻まれています。
アイドラー
アイドラーは、相当の年月が経っているにもかかわらず、充分使用に耐える物でありますが、そのグリップ力の強大さは最大値を示します。 重くかっちりと作られており、通常の301のものとは少々異なった純正品といえます。
トランスポート部
相当な年月が経っているのにもかかわらず、錆びの発生もなくきれいな物です。 素材にかなり良いものが使用されていて、クリーニング後のオイル注入を行った後の調整でも、金属アクが発生せず円滑に動作します。 通常の301では、トランスポート部のアタリを取る手動での動作工程で、回転支点部に大量の金属アクが出るのですが、本機はそれもなく、いつまで動かしてもアクは発生しませんでした。 しかしこのトランスポート部の動作となると、通常の301のように当たりを取った後の滑らかな動きとは異なり、それなりの力が無ければ起動しづらく、回転部としては渋い動作と言えます。 全体の動きを見る限り、ユルミやアソビという問題を徹底して嫌った感じを覚えます。 電源スイッチ部はがっちりと奥まで入って電源が入るようになっており、確実性では大変優れた物です。
ノイズコンデンサー
円形の大きな物で、通常組み込まれている箱型の物とは異なっています。 レストア後のテストでも、電源ショック音は発生しなかったので、まだまだ大丈夫のようです。 ひょっとしたらこのノイズコンデンサーは、壊れないものではないかとも考えられるのです。
センタースピンドル
センタースピンドルはグリス仕様です。 一番心配であったスラストパッド台座低部の磨耗もほとんど無く、そのまま使用できました。 オリジナルのグリスを注入して使用した場合、かなりの抵抗を生じます。 実は301グレーモデルにとって、これが特に重要なファクターで、モータートルクの制動に欠かせない働きをします。 センタースピンドルの特長は、回転時にはスラスト部の抵抗は減少し、主抵抗体はスピンドルシャフト、スピンドルボックスのギャップ間に設定されています。 この働きは基本的にグリスタイプ、オイルタイプ共に同じですが、オイルタイプでは当然にその値は減少します。 これはそれぞれの年代のモーターとマッチングして、回転制御と音質面での影響のかかわり合いにある意味を持つ事になります。
シャシー
301グレーと301クリームとの大きな違いは、シャシーの素材の違いが特長で、本機のシャシーは軽く響きやすいのですが、その共鳴はすぐに止まるという性格をもっています。 この素材は、TD124のプロトタイプと共通する点があり、低域のロールオフがやや高くなるタイプと考えられます。 これが301グレーの音質にかなり影響を及ぼしているはずです。 従って通常モデルの部品を変えて301グレー仕様にしただけでは、意味のないことであるのがお分かりいただけると思います。 他に後期モデルと異なる点は、シャシーを固定するネジの取りつけゴムに、真鍮製リングが取り付けられています。 通常の301とは他にも所々異なる所もあるのですが、それらは各モデルの仕様変化程度と考えるべきでしょう。
メインプラッター
メインプラッターもシャシー同様、やや軽めに感じられます。 叩くとチーンと清んだ響きがします。 その構造と素材的に関しては、仏クレマン社の業務用プレイヤーと共通した思想が見えてきます。 つづく
以上T氏