2009年02月07日
GARRARD 301 初期グレーモデル その 3
ガラード301グレーモデルのレストアのあり方
レストアに当たっては、301グレーの基本的な部分における、設計思想に充分注意を払った上で行わなければ、本来の性能を発揮させるのは難しいと考えられます。 その設計思想と仕様は、301グレーは通常の301とは明らかに異なった物で、別物として捉えたほうが良いのです。

ギアドライブ型をアイドラー型に置き換えた機構、そこには曖昧な部分は全く無く、すべてが歯車のように噛みあって動作しているのです。 センタースピンドル部の抵抗値は重要であり、回りづらいという特長は、常に高トルクなモーターに負荷を及ぼし、安定した回転を可能にします。 モーターとスピンドルの関係の中で、プーリーとアイドラーは重要なかかわり合いがあり、グリップ力の強大さにより、スピンドルとモーター相互に管制力を及ぼしています。 アイドラーに名を借りた歯車であり、すべてが相互的な干渉力を及ぼす事により、回転ムラや、ワウの発生を極小にする事を可能にしています。 これの意味する所は301グレーに本来の性能を求めるのであれば、モーター、プーリー、アイドラー、センタースピンドル各部位がすべてオリジナルでなければなりません。 そうでなければ歯車的なトルクは発生しえないのです。 とりわけアイドラーがオリジナルでない場合、モーターの高トルクに対して、適切な負荷を及ぼすことは不可能で、代替品のアイドラーを使用した301グレーモデルは、オリジナル性という面から言えば、301グレーではありえないとさえ言えます。 このグレーモデルは発売当時は、最高レベルのフォノモーターでしたが、正常な動作をしている限り回転ムラに対しては大変強い力を発揮する機構なのですが、音質面となるとホームユースで使用する場合、問題となる点もあるのです。 301グレーは、ギアドライブ的な性格を保持している為、機構的な完成度は優秀なのですが、面白さに欠ける所がままあります。 回転機構部が歯車化した事により、通常モデル301のようなアイドラーとプラッターにおけるスピン効果が得られず、音の勢いと若々しさに欠けるきらいがあります。 通常の301では人間の視覚上にとっては聞き取る事の出来ない、アイドラーのスピン力が音に色彩感と躍動感をもたらすのですが、301グレーの場合、そのような機構的な僅かな弛みを本質的に持っておらず、再生音においては、音の伸びが限定されてしまう事になってしまいます。 それで音のひらめきと意外感が乏しい音と言えなくも無いのです。 301グレーのレストアに関しては、その性格ゆえ、技術的な面で何ら寄与する所も無く、ただ正常にあるがままに、基本性能を取り戻すと言う事に尽きるのですが、レストア終了時の特性としては、モーター起動は15V、100V定格電圧にて回転コントロールつまみ位置は、中点で低速となりました。通常の301では、−2メモリが適正値でありますが、本機のように完全な業務用モデルの場合、中点で定回転となった方が、可変範囲が広がってかえって便利であるかもしれません。 つづく
以上T氏
レストアに当たっては、301グレーの基本的な部分における、設計思想に充分注意を払った上で行わなければ、本来の性能を発揮させるのは難しいと考えられます。 その設計思想と仕様は、301グレーは通常の301とは明らかに異なった物で、別物として捉えたほうが良いのです。
ギアドライブ型をアイドラー型に置き換えた機構、そこには曖昧な部分は全く無く、すべてが歯車のように噛みあって動作しているのです。 センタースピンドル部の抵抗値は重要であり、回りづらいという特長は、常に高トルクなモーターに負荷を及ぼし、安定した回転を可能にします。 モーターとスピンドルの関係の中で、プーリーとアイドラーは重要なかかわり合いがあり、グリップ力の強大さにより、スピンドルとモーター相互に管制力を及ぼしています。 アイドラーに名を借りた歯車であり、すべてが相互的な干渉力を及ぼす事により、回転ムラや、ワウの発生を極小にする事を可能にしています。 これの意味する所は301グレーに本来の性能を求めるのであれば、モーター、プーリー、アイドラー、センタースピンドル各部位がすべてオリジナルでなければなりません。 そうでなければ歯車的なトルクは発生しえないのです。 とりわけアイドラーがオリジナルでない場合、モーターの高トルクに対して、適切な負荷を及ぼすことは不可能で、代替品のアイドラーを使用した301グレーモデルは、オリジナル性という面から言えば、301グレーではありえないとさえ言えます。 このグレーモデルは発売当時は、最高レベルのフォノモーターでしたが、正常な動作をしている限り回転ムラに対しては大変強い力を発揮する機構なのですが、音質面となるとホームユースで使用する場合、問題となる点もあるのです。 301グレーは、ギアドライブ的な性格を保持している為、機構的な完成度は優秀なのですが、面白さに欠ける所がままあります。 回転機構部が歯車化した事により、通常モデル301のようなアイドラーとプラッターにおけるスピン効果が得られず、音の勢いと若々しさに欠けるきらいがあります。 通常の301では人間の視覚上にとっては聞き取る事の出来ない、アイドラーのスピン力が音に色彩感と躍動感をもたらすのですが、301グレーの場合、そのような機構的な僅かな弛みを本質的に持っておらず、再生音においては、音の伸びが限定されてしまう事になってしまいます。 それで音のひらめきと意外感が乏しい音と言えなくも無いのです。 301グレーのレストアに関しては、その性格ゆえ、技術的な面で何ら寄与する所も無く、ただ正常にあるがままに、基本性能を取り戻すと言う事に尽きるのですが、レストア終了時の特性としては、モーター起動は15V、100V定格電圧にて回転コントロールつまみ位置は、中点で低速となりました。通常の301では、−2メモリが適正値でありますが、本機のように完全な業務用モデルの場合、中点で定回転となった方が、可変範囲が広がってかえって便利であるかもしれません。 つづく
以上T氏