2009年02月09日

GARRARD 301 初期グレーモデル その 4

ヒアリングテスト

DECCA ffss本機のヒアリングテストには、デッカのアーム・カートリッジを用い、キャビネットは英国で製作されたスプリングを使用した、オリジナル仕様のものを用いました。 つまり純英国仕様であり、本機の性能を確かめるには、適切な物と言えます。 再生音についての印象は、圧縮された音であるというのが第一印象であり、音の是非はアンプリファイアーやスピーカーに委ねられています。 浮かせバネダンピングファクターとは無縁のライン伝達に徹した音であり、音の送り出しにはこの方がよい結果を得られると思われますが、コンシューマーユースでの再生には、アンプリファイアーにかなり負担を強いる事になるはずです。 またスピーカーに対して負担をとらないタイプなので、音を伸ばすタイプの大型フロアー型には不向きであると考えられます。 

British Console suspended by coil spring














再生音を聴く限り、オーディオ的な発展性という面からして、完全に背を向け閉じられた音空間になっていて、カートリッジやアンプリファイアーを新しく購入する気が起きません。 音の伸びがそれほど感じられないのは、機構的な面から当然ですが、デッカカートリッジの力もあり、高域部の輝きと音場の透明感は聴くべき所がありますが、中低域の分解能が欠落気味で、低域部のソリッド感とのバランスがやや不安定です。 直線的な力感はありますが、ボトムエンドのロールオフが早いので、定位が安定しづらい所があります。 総合的なヒアリングテストでは、、現在ハイファイ用として使用するに当たっては、ユーザーには使いこなしが難しいタイプと言えます。 301グレーを最高クラスのアンプリファイアーやスピーカーと組み合わせるのではなく、中級クラスの物を用いた方がかえってアラが出ずに良い結果が得られるようです。 グレーは銘器と呼ばれますが、その名声はその容姿と古さから作り上げられたものです。 ある特定の周波数帯域内で、音楽再生を楽しみ満足されるなら、懐かしい魅力あるフォノモーターとして大いに存在価値がありましょう。
つづく
以上T氏



T氏が1年間かけてフルレストア・調整した
TD124Mk.IIをHPに出品しました。

詳しくは

http://www.thorens-td124.jp/TD124_TP20_Plinth2-7.html

をご覧ください。

TD124Mk.II 本来の音質をお愉しみいただける極上品です。







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