2009年02月17日

GARRARD301 集成・積層キャビネットにまつわる迷信 2

キャビネット構造について

工法的な見地から見れば、これらのキャビネットに構造というものは無いに等しく、ただ素材をくり貫いただけ、あるいは張り合わせただけの加工があるだけです。 従ってキャビネットとしての働きというより、ただの設置台又は床の延長として考えたほうが良いでしょう。 

garrard 301 console















このタイプのキャビネットに特殊なインシュレーター等を併用すると、特性は更に悪化し、HiFiオーディオプレイヤーとしての水準は低下します。 再生周波数レンジは、FM放送と同じくらい。 カートリッジや、アンプリファイアーでいくら音質的なクオリティの向上を図っても、それは見かけ上のものでしかなく、301本来の音とは程遠いものになってしまうのです。 301にはびこる通説として、重くがっちりとしたキャビネットに入れたほうが良いと、まことしやかに言われています。 全く根拠のない事です。 きちんとレストアした完調の301ならばシャシー自体は振動が少ないのですが、板厚の薄いキャビネットに変えると板に共振が起きます。 実はこれが振動伝達的には正しいありかたなのです。 振動をキャビネット板を通して逃がすことにより、301の動作は安定します。 キャビネットの振動をがんじがらめに制御すると言うのは、301の性格を知らない人が言い出した迷信です。 正常な動作をしている301であるなら、シャシー自体が有する基本振動周波数がアームカートリッジに影響を与えると言う事はほとんど起こりません。 一例としてあげれば、ここに15mm厚MDFで作った実験用のキャビネットがあります。 301と組み合わせるアームとの相性を聴く為に、簡単にビスのみで組み立てたものです。 これまでこのキャビネットで何種類ものアームをテストしていますが最低域のスケール感や最高域の音の伸びさえ我慢すれば、大きな問題は起きませんでした。 底板のないただの箱にもかかわらず一応構造体であり、積層型のような加工品キャビネットにある品性の欠落は見られません。 つづく
以上T氏



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