2009年05月04日
HAMMERITE GREY GARRARD 301 CONSOLE 4
グレーにハンマーライト塗装された初期型GARRARD301のキャビネットはどうして複雑な構造と多くのパーツを有さなければならないのか? それは私がグレー初期型301が求めた物を汲み取った結果なのです。
およそグレー301のような古つわものを、現役のレコードプレイヤー達と伍する水準まで引き揚げるには必要だったのです。 今までの定説めいた思想に基づいたキャビネットに、グレー301を載せても、今日的な意味ではもはや何の意味も持ちません。何かしら新しい音を301に寄与しなければ、グレー301はただのアナクロニズムなフォノモーターに過ぎないのです。 新しい音は新しい思想から生まれます。 決して古い思想から生まれる事はありません。 この専用キャビネットは、こうした考えに基づいて製作しましたが、期せずにして301本来の設計思想と似た所もあります。 それはメインプレートを支持するコイルバネの設置箇所で、2本のバネによる支持法は、どこか301モーター懸架部に相似しています。 最良の効果を得るため考案した方法が似ていると言う事は、301の設計者の意に添ったものである野かもしれません。 又キャビネットのコイルバネの使用法は、現代プレイヤーの特長の一つであるコイルバネによるフロート効果とは、真逆の手法をとっており、本来浮かす為のコイルバネを締め付ける要素として使用しています。 およそコイルバネを使用するに当たっては、可変を前提に用いるべきであるという私の考えによるものです。本機全体の働きとしては、ダンピングファクター成分の完全な帰還を目的としたもので、両生音を聴く限り、当初の目的は充分果たせたと感じています。
この項おわり

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