2009年05月09日
TD124オリジナルキャビネット専用敷板 2
TD124オリジナルキャビネットは、本体から伝達された振動ノイズ成分を可変した後、四隅の足部を通じて、その振動エネルギーを外部に導きだす事により、本来の働きを正常な物にしています。
設置台等の材質、構造等によりその流出作用が変化し、場合によっては再生音に何かしらの影響が表れるのも事実です。 それはキャビネットからの、振動エネルギーの自然な流れが妨げられる事によるのですが、特にオーディオラックなどの設置台下部にアンプリファイアー等の機器類が設置されている場合、機材同士の振動と共振が、設置台上面に溜まり、TD124キャビネットからアースされた振動流出エネルギーと合成された時、顕著になります。 その防止にTD124の下にインシュレーターや特殊ボード類等を、セッティングしてみるという手段もありますが、これはTD124にとってあまり有効ではありません。
なぜならTD124自体の構造が独自の物であり、それゆえ振動パターンや流出経路も独自な物であるからです。 何よりこのようなオーディオアクセサリを用いた場合、TD124の一番の持ち味である、ダンピングファクター効果に悪影響を及ぼす副作用も生じてしまいます。 TD124の振動の性格を考えれば、インシュレーションの様な受身的な物ではなく、もっと能動的な働きをする手段にこそ効果があるのです。 ではこの問題を解決するにはどうすべきか? 答えは整流と言う考え方でした。こ れは以前、TD124のダンピングファクター効果について書いた時に思い当たりました。 アンプリファイアーに整流部があるのなら、レコードプレイヤーにあってもおかしくはないという思いつき。 これに基づいて製作してみました。 その働きはTD124オリジナルキャビネットと設置台の間にあって、振動可変と整流作用を伴った抵抗体として動作します。 素材は、15mm厚のMDFを用います。 これはMDFという材質自体、振動に対して方向性を持たないという特性を利用し、加工次第で振動方向性を可変しやすいからです。 この専用ボードはTD124自体の音質の向上を計るというものではなく、TD124本来の音を明確な物とし、本来あるべき姿に戻すというのが役割です。
このボードを用いてヒアリングテストを行いました。 まずひずみ感の減少、SN比の向上、定位の一層の明確化による音楽的な構成力の増強、音の飛び出しがコントロールされ、全体の安定感が増しました。 音質面では、色彩感の鮮度が上がり、何より自然に湧き上がって来る、再生音全体に及ぶ気品が大変心地よく感じられます。 このような効果が顕れたにもかかわらず、TD124自体の固有の音楽的な再現力の基本姿勢は変わる事はありません。 この変わらない、副作用がないというのが重要なポイントで、このボードが調整・整流器としての役割を充分果たしている事の証明でもあるのです。 使用法はいたって簡単ですが、セッティングには少々コツがあります。 設置台を予め水平にしておくことが重要です。 そうすれば高さ調整リングをあまり動かさずにすみます。 専用敷き板、キャビネット、TD124本体の3つが水平となり、見た目はもちろん、再生音にとっても好ましいセッティング状態になります。 この項おわり
