2009年11月10日
TD124の回転系部ストーリー2
TD124の仕様自体は明快なストーリーをもって設計されており、いっけん複雑な様式をもっているように見えますが、レストアを行って感じたのは様式から想像されるほどではありません。 起承転結が明確であるということは、それに沿って解体、組み立てを行えば動作させやすく、4人の主役をそのあるべき所にあるようにすれば、きちんとした結果が得られ、それは再生音に如実に現れます。 いわば、プロットの設定と似たところがあるのです。 TD124の構造の働きのストーリー性は再生音での音の存在、つまり音楽表現の見晴らしの良さやひとつひとつの音の明確さなどがあると思います。 これがガラード301の場合は、時々聴かれる現象で音楽の方向性や位置付けが不均等になったり、行方不明になったりと、301自体の構造の働きのストーリー性の欠乏が原因ではないかと思えますし、コニサークラフツマンの場合は構造の働きからして行ってこい式な部分がほとんどで、あくまでコニサー的とも言えますが、TD124のような音楽のストーリー性はないようです。 TD124のような先を見通す音の世界ではなく、音の響きを演出し、今がすべて的な音色で音楽を語る点で大いなる魅力を秘めており、格段にハイクラスの力を持っています。 TD124のストーリー性は音楽の表現力という観点から見れば大変理解しやすいですが、一歩誤れば陳腐なものと化す危険性をはらんでいるのも事実、レストアする側からすれば危うさを常に秘めており、極力注意を怠ってはならないと思っています。 しかしユーザーにとっては音楽の方位を明らかにしてくれるという効果は大きいと考えられます。
以上T氏 この項目は終わり
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