2009年11月12日
TD124歯車的動作についての補足-1
前回の「TD124の歯車的動作について」の記述中にTD124、ガラード301も機構動作で歯車的な働きが大変強く出たレコードプレイヤーであると書きましたが、TD124とガラード301はそれぞれ異なる所もあり、両機が同じ歯車的な構造としくみで動いていると勘違いされる恐れがあるため補足させていただきます。
まず知っていただきたいのは、歯車としての働きと歯車的動作は本質的に異なった意味を持つということです。 前者はガラード301を後者はTD124の動作の基本を示したもので、301の比較的単純な回転ミッションは、歯車として大変有効でトルクも大きいのですが、その単純さが裏目に出るとプラッターのふらつきを招きます。 つまり301はその単純な機構のため、常に速度変化に対してフレキシブルに反応しやすいのです。 動作で歯車が狂って動くとそのまま回転数も同調してしまいます。 それを防止するため、初期のタイプはスピンドルにグリスを用いて負荷抵抗により回転がふらつかないようにしています。 これらの初期のタイプは後年の製品よりモータートルクが格段に大きく、その為アイドラーの圧着による抵抗値の増減がそのまま回転数の変動に反映されやすい。 それを未然に防ぐ意味でもセンタースピンドルのグリスは欠かすことができない訳です。 ガラード301はこのような回転機構が歯車として正確に動作していますが、回転数が安定して保つ点から見ればセンタースピンドルのグリスによる負荷だけでは不充分で、もっと回転トルクの初めの段階であらかじめコントロールしたほうが有効なのは明らかであり、それを可能としているのがエディカレント機構です。 従ってガラード301の場合、真に回転数の安定を受け持っているのはエディカレント機構により発生する磁力であり、センタースピンドルは回転力の保全とブレーキを受け持っていると考えればいいと思います。 この二つにより301は歯車として回転機構を動作させていることになります。 以上T氏 つづく
まず知っていただきたいのは、歯車としての働きと歯車的動作は本質的に異なった意味を持つということです。 前者はガラード301を後者はTD124の動作の基本を示したもので、301の比較的単純な回転ミッションは、歯車として大変有効でトルクも大きいのですが、その単純さが裏目に出るとプラッターのふらつきを招きます。 つまり301はその単純な機構のため、常に速度変化に対してフレキシブルに反応しやすいのです。 動作で歯車が狂って動くとそのまま回転数も同調してしまいます。 それを防止するため、初期のタイプはスピンドルにグリスを用いて負荷抵抗により回転がふらつかないようにしています。 これらの初期のタイプは後年の製品よりモータートルクが格段に大きく、その為アイドラーの圧着による抵抗値の増減がそのまま回転数の変動に反映されやすい。 それを未然に防ぐ意味でもセンタースピンドルのグリスは欠かすことができない訳です。 ガラード301はこのような回転機構が歯車として正確に動作していますが、回転数が安定して保つ点から見ればセンタースピンドルのグリスによる負荷だけでは不充分で、もっと回転トルクの初めの段階であらかじめコントロールしたほうが有効なのは明らかであり、それを可能としているのがエディカレント機構です。 従ってガラード301の場合、真に回転数の安定を受け持っているのはエディカレント機構により発生する磁力であり、センタースピンドルは回転力の保全とブレーキを受け持っていると考えればいいと思います。 この二つにより301は歯車として回転機構を動作させていることになります。 以上T氏 つづく