2009年11月14日

TD124歯車的動作についての補足-3

こうしてTD124は回転が安定します。 それには5Kgのプラッターの重量が必要となってくるのです。 歯車動作や歯車的な動作を行うレコードプレイヤーの場合、慣性質量はそれほど大切なものではなくかえって邪魔なものと言える場合がほとんどで、あくまで重量が問題です。 ガラード301などもモーターから比べればプラッターの重量に伴う慣性モーメントは小さいのです。 TD124とガラード301を比較するとモーターとプラッターのトルク比は正反対なのです。 それは301がトルク型のフォノモーターであり、TD124が回転力型のレコードプレイヤーであるということを示しています。 仮にトルク型のモーターに大きな慣性質量のプラッターを用いると、慣性モーメントの増大により定速回転の維持が難しくなり歯車として動作しているミッションを振り切ってしまうことになりかねません。 TD124が5Kgという重いプラッターを持っていながら安定した回転が得られるのは当然、回転系の構造によるものですが、本質から言えばTD124は回転力でプラッターを回している事がいちばん基本的な理由と言えます。 TD124のモーターから始まる動力伝達は、その力を変化させながらそれぞれ微妙に関連付けられて、その働きは見方によっては歯車そのものとして各部位の姿と映りますが、本質的には曖昧さに充ちたものです。 その曖昧さこそTD124の動作の本質と再生音の是非が相互に関連付けられており、TD124が一台一台固有の再生音をもつのは、この部分の曖昧さの中にその秘密のひとつが隠れているのです。 以上T氏 この項目おわり 

                 




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