2010年02月08日

オレのガマンもこれまでだ 「聴覚って、ナニ?」の巻

再生音の良否を判断するに、何より自分自身の聴覚こそ拠り所であり、皆様もご自身の聴覚には並々ならぬ自信がおありのはず。 果たして本当にそうでしょうか? 私自身の聴覚についてちょっとお話ししましょう。 二十年前に突発性難聴を患った私の左耳6000Hzが聴覚限界でそこから−18db オクターヴで急降下という有様、右耳はというと4000〜4500Hzで急激なディップがあり、お医者様が言うには騒音性難聴だそうです。 ほとんどの人間は、多かれ少なかれこの様なディップは存在するとのことです。 左右の耳の聴覚が異なることで、退院直後は左の足音がほとんど聴こえない為まっすぐに歩く事ができず、困ったものでした。 半年ぐらいで治ると言われたとおり、無事に直ったようでした。 しかし、本当のところは聴覚が元に戻ったのではなく、脳が欠陥を補正した為であり、定期検診では聴覚特性グラフ表は元のままでした。 意外にも、発病後の方が音が良く聴こえるようになってしまいました。 きっと脳の補正力が高まったからでしょう。 物理的な特性を自ら明確に知る事ができ、音の本質を集中して聴く事に注意を向けたため、音楽の根源の力をより良く感じるようになりました。 左耳は高域聴覚が失われただけではなく、周りが静かだとノイズが少々気になることもありますが、悪い事ばかりではありません。 怪我の功名でTD124のモーターの調整時にノイズの基準音として使え、TD124レストア完了時のヒアリングテストでは左耳が歪んでいる為、歪成分にはかなり敏感になっており、再生音に潜む歪み検知に有効に使えるのです。 IMG_0202
私自身はこの様な有様で、実生活には支障はありませんが、私の仕事仲間で携帯の着信音が最大でも全く聴こえず、病院に行って聴覚テストを受けても異常が見当たらないという深刻な例もあります。 パチンコ店の物凄い騒音の中、毎日10時間以上ファイトしており、騒音に違和感なく座り続け、騒音打ち消し用サウンドミュージックさえ耳に入らないと答えるパチプロ同然の生活を続けていたのですから。 これは実際に耳が聴いているのに脳がそれを必要な情報として認識、識別せずに音を消去してしまうのです。 IMG_0201私の場合とは逆の脳の補正が行われていると推測出来、単音なら聴こえるが多種の音が混合するとマスキングされてしまうのでしょう。 音の聴き分けが出来なくなっているのが本当の原因と考えられ、長時間騒音に曝されたため、脳の聴覚器官が自らを守ろうと自然に反応した結果であり、彼の場合、騒音性難聴がすべての可聴周波数帯域で発生したのです。 疾患を持って気付いたのは、世の中には耳がやられてしまったオーディオマニアの方々がなんと多いことか。 システム構成を見れば、一目瞭然。 例えば15インチウーファーをダブルで使用し、ホーンツイーターの上にさらにスーパーツイーターを取り付け、挙句の果てにエレクトロヴォイス30W・76cmウーファーを追加したり・・・。 これはどう考えても狂気の沙汰としか思えません。 IMG_020015インチウーファーは欧米のものはほとんど業務用で、通常日本の屋内で使用するのであれば、左右一個で充分なはずです。 スコーカーツイーター等に使用されるコンプレッションドライバー等もJBLの375は少しレンジにキツイところがありますが、振動板がそれほど大きく無い物の場合、充分可聴帯域はカバーしてくれるはずで、スーパーツイーターは本来必要としません。 ではなぜ必要とするか? 耳は聴いているが、脳が情報として認識していないので、聞いてはいるが聴こえてこない症状が起きているのです。 音量を充分と認識できないから、ヴォリュームを上げるのです。 それでも聴きづらいから、音量を上げていく。 そのために音が歪み始めマスキング現象が起こり、さらに症状が進み、結果的にバランスの不自然な再生音となるのです。 我国のオーディオマニアの方々はアンプリファイアーやスピーカーの物理的な特性に対して厳しく吟味しますが、肝心のご自分の耳の特性については健全であると信じておられるとお見受けします。 機器それぞれの特性以前にご自分の耳の特性を正しく知るべきではないでしょうか。 機器に対してスペックの是非を求めるのなら、ご自身の聴覚のスペックも明らかにしなければそれは不公平というものです。 私は私の耳の特性を充分知っていますが、皆様はご自身の聴覚特性をどれだけご存じでしょうか? 以上T氏

ところで、耳掃除してますか?

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