2010年02月15日

オレのガマンもこれまでだ「ステレオ(ステレオ的定位)の録音って ナニ?」の巻のつづき

レコードを作る側と聴き手との相互コミュニケーションは暗黙の了解とされ、それは人間の普遍的な音に対する嗜好性によると考えられます。 気持ちの良い音は、リスナーが満足できる音を作り手側が応えた時に起こります。 私が、作る側に予定調和が不可欠であると述べたのはこの事柄をさしています。 音楽を暗号化するに長けた匠はジャズではヴァン・ゲルダーであり、クラシックではジョン・カルショウですが、彼らが関わった録音は、いずれもその世界では名録音、名盤であると評価されています。 ここまで述べてきたことは、ステレオ録音、モノーラル録音とも共通していますが、異なるのはステレオ録音の場合、モノーラルに比べていぢりしろが大きいという特長があり、モノーラルのように直球勝負ではありません。 モノーラルの場合、時々投げる球が無くなって「え〜い」とばかりど真ん中に直球を投げ込むような録音を聴く事がありますが、それはそれで潔く逆に良くやったと手をたたきたくなりますが、ステレオ録音となると球種が多いので、このようなことはあまり起こりません。 時々こちらが直球を望んでいるのにフォークボールから入ってきたりすることだってあるからです。 この球種が多いというステレオ録音の特性を使い過ぎると時々あり得ない音像が出現したりしてビックリすることがありますが、その是非は音楽とオーディオ的Hi-Fiをどう捉えるか、つまり聴く側の趣味嗜好に委ねられます。 ステレオの定位を楽しむことは悪いことではありませんが、それのみを重視すると音そのものを楽しんだり、音楽を愛でる障害になりかねません。 ステレオ効果を巧みに操る作り手は定位やセパレーションの面白さをリスナーに提供すると同時に、音を混ぜ合わせて、色彩の移ろいを上手く演出します。 こちらの方が実は、音楽を音楽たらしめるのに重要であるのです。 ステレオ的定位を楽しむ方には、是非知っていただきたいことです。 このような例もあります。 あるオーディオ熱中者がお気に入りのジャズレコード再生で、本来バンドの一番奥にあるドラムスを前に出したいと、何とも無茶な欲求に試行錯誤を繰り返し、やっと望む音が出たので聴きに来い、と連絡がきたのです。 音の素晴らしさといったら! とても人間が演奏していると思えない奇妙な音。 この装置のオーナーが宇宙人に見えてしまうほどの、未知との遭遇であり、宇宙の広がり以上の壮大というかへんてこりんなスペースオペラと化していました。 皆様は、このようなスペースオペラ・ステレオ再生はなさっていませんよね? 以上T氏


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