2010年05月28日
TD135についてもっと
我国ではTD135をTD124の普及型と認識されているようですが、私が実際にTD135をレストアし、その再生音を聴いたところから推測すれば、別のコンセプトに基づいて制作されたと思います。 まず、TD135に搭載されているBDT12S型アームの存在です。このアームはEMTの#997の原型モデルであり、単品としても販売された大変高性能なもので、TD124の普及型であればこのようなプロユースに匹敵するようなシビアな特性を持つアームを組み込む必要はないはずでした。 BDT12S型アームを組み込むということは、TD135が本当はかなり高度な再生を行えるレコードプレイヤーであることの証明です。 それでもTD135の評価は我国ではあまり高くないのは、セミオートプレイヤーであるというのが原因と思われます。 我国のオーディオマニアはマニュアルプレイヤーこそがオーディオの最高とし、オートチェンジャープレイヤーやセミオートプレイヤーを軽視する傾向があり、一段下と思っているからです。 しかしTD135は完全にこの様な考え方を否定できる力を秘めています。 TD124とは別の再生力を持ってユーザーの期待にこたえてくれる製品で、本来もっと見直されても良い製品と言えます。

仕様
モーター、エディカレント用マグネット、ステップドプーリー、アイドラー、アイドラー用金具、電源スイッチレバー、電源スイッチ部はTD124Mk.1モデルの30000万番台頃と共通のものを使用しています。 TD135には、TD124Mk.1モデルとMk.2モデル仕様があり、これらのパーツもこれに準じています。 TD124との相違点はシャシー下部のトランスポートが異なり、これはセミオート機能を持つために必要な処置です。 センタースピンドルは、TD124のような大きなものではなく小型の口径の小さなものが使われており、スピンドルシャフトには、ボールベアリングがはめ込まれていますが、それを受けるべきプラスティック・スライス板はなく、スピンドルボックス底部にダイレクトに乗っています。 スピンドルボックスの構造はメタルリングが内部の上下にはめ込まれ、中央部はオイルだまりが形成されていて、口径の小ささもあり空気圧の圧力がTD124のスピンドルボックス程ないので、大変スムーズにプラッターを回転させることができます。 プラッターは初めからアルミ製のようで、この点はTD124Mk.2とよく似ていますが、発売年からTD135が最初でTD124Mk.2はTD135の発展したもの、あるいはTD124Mk.1プロトタイプのアルミ製とも似たところがあり、プロトタイプのプラッターを改良したものである可能性が考えられます。 プロトタイプモデルはアルミ製のプラッターのほか真鍮製のプラッターもあり、この真鍮製がMk.1で鉄製に変わり、アルミ製がTD135に移行したとも考えられます。 このプラッター上部、TD124では45回転EP盤用の金物台座の所が全面金属円盤のキャップに取りかえられています。 ゴムシートはTD124と共通のものです。 シャシーは鉄板プレス成型で、この部分がTD124ともっとも大きな違く、TD124が音のコクという面では有利ですが、直線的な音の効果ではこの鉄板シャシーはなかなか優れモノです。 トランスポートはTD124のような重量はありませんので、質量の変化による音振動の可変では不足し、TD124のような音が深く沈みこむディストーション的な効果は望めませんが、逆に車で言うバネ下重量の軽量化と等しく小回りのきいたきびきびした再生音を表現するのに役立っています。
操作法
TD135はセミオートプレイヤーで、レコード演奏終了時に電源が自動的に切れ、プラッターの回転が停止します。それは前面のマニュアルとストップレバーを操作することにより通常のマニュアルプレイヤーと同様にマニュアル動作をさせることができます。 この場合アイドラーはプラッターから離脱せず、アイドラーをプラッターから離すには左側の指定回転数レバーを0ポイントに設定する必要があります。 TD124の場合と違いTD135は電源ON、OFFは指定回転数レバーでは行えず、スイッチのONはアームを外側に動かすと電源がONにアームが内周に入るとOFFになります。 この機能を利用してクイックスタートを行うことができ、まずアームをレコード面に降下させアームを動かしスイッチを入れアイドラー用指定回転数レバーを操作すればダイレクトにプラッターは動きます。 したがって、指定回転数レバーはアイドラーのプラッターへの接地と解除のみを行うだけなのです。 アーム部は、本体の手前に降下レバーがあり、TD135Mk.1はレバー型、Mk.2は円型になっています。
以上T氏
仕様
モーター、エディカレント用マグネット、ステップドプーリー、アイドラー、アイドラー用金具、電源スイッチレバー、電源スイッチ部はTD124Mk.1モデルの30000万番台頃と共通のものを使用しています。 TD135には、TD124Mk.1モデルとMk.2モデル仕様があり、これらのパーツもこれに準じています。 TD124との相違点はシャシー下部のトランスポートが異なり、これはセミオート機能を持つために必要な処置です。 センタースピンドルは、TD124のような大きなものではなく小型の口径の小さなものが使われており、スピンドルシャフトには、ボールベアリングがはめ込まれていますが、それを受けるべきプラスティック・スライス板はなく、スピンドルボックス底部にダイレクトに乗っています。 スピンドルボックスの構造はメタルリングが内部の上下にはめ込まれ、中央部はオイルだまりが形成されていて、口径の小ささもあり空気圧の圧力がTD124のスピンドルボックス程ないので、大変スムーズにプラッターを回転させることができます。 プラッターは初めからアルミ製のようで、この点はTD124Mk.2とよく似ていますが、発売年からTD135が最初でTD124Mk.2はTD135の発展したもの、あるいはTD124Mk.1プロトタイプのアルミ製とも似たところがあり、プロトタイプのプラッターを改良したものである可能性が考えられます。 プロトタイプモデルはアルミ製のプラッターのほか真鍮製のプラッターもあり、この真鍮製がMk.1で鉄製に変わり、アルミ製がTD135に移行したとも考えられます。 このプラッター上部、TD124では45回転EP盤用の金物台座の所が全面金属円盤のキャップに取りかえられています。 ゴムシートはTD124と共通のものです。 シャシーは鉄板プレス成型で、この部分がTD124ともっとも大きな違く、TD124が音のコクという面では有利ですが、直線的な音の効果ではこの鉄板シャシーはなかなか優れモノです。 トランスポートはTD124のような重量はありませんので、質量の変化による音振動の可変では不足し、TD124のような音が深く沈みこむディストーション的な効果は望めませんが、逆に車で言うバネ下重量の軽量化と等しく小回りのきいたきびきびした再生音を表現するのに役立っています。
操作法
TD135はセミオートプレイヤーで、レコード演奏終了時に電源が自動的に切れ、プラッターの回転が停止します。それは前面のマニュアルとストップレバーを操作することにより通常のマニュアルプレイヤーと同様にマニュアル動作をさせることができます。 この場合アイドラーはプラッターから離脱せず、アイドラーをプラッターから離すには左側の指定回転数レバーを0ポイントに設定する必要があります。 TD124の場合と違いTD135は電源ON、OFFは指定回転数レバーでは行えず、スイッチのONはアームを外側に動かすと電源がONにアームが内周に入るとOFFになります。 この機能を利用してクイックスタートを行うことができ、まずアームをレコード面に降下させアームを動かしスイッチを入れアイドラー用指定回転数レバーを操作すればダイレクトにプラッターは動きます。 したがって、指定回転数レバーはアイドラーのプラッターへの接地と解除のみを行うだけなのです。 アーム部は、本体の手前に降下レバーがあり、TD135Mk.1はレバー型、Mk.2は円型になっています。
以上T氏