2010年07月26日
英COLLARO社製4T200型プレイヤーその1
英COLLARO(コラロ)社製4T200型トランスクリプション・デッキです。 英DECCAのデコラ電蓄に採用されたものと同型であり、我国ではほんの一握りのヴィンテージマニアにだけ認知されていたモデルです。
1958年版英国Hi-Fi YEARBOOKのレコード部門の巻頭にフラッグシップモデルとして掲載され、レストアしてみますと優秀な性能に驚きましたので、紹介してみます。
4T200型の仕様と構造
構造は、ガラード301とトーレンスTD124のいいとこどりをしたもので、モーター下部のスラスト部などはその最たるものです。 モーター自体は、取り外そうとするとトランスポート類との関係で、調整で不具合が生じる恐れがあったため、下部ハウジングカバーを外すだけで回転部を分解することにしました。 面白い構造です。 ローター軸シャフトが乗って回転します。 ベアリングはフェルトとひし型のスプリング板で固定されるようになっているのです。 さらにTD124と同じ型式のピーナツがあってベアリングを挟むように配置され、ひし型スプリング板を固定している2本のネジでピーナツの自在さ(ローターの回転に伴う自動調芯)を調整します。 ローター軸シャフトの底には、回転軸を定めるくぼみがあり、301のローター下部のスラストと同じ構造になっています。 このようにTD124と301の良いとこどりのようですが、実は歴史を考えるとコラロの方が先のようなのです。 当時のエンジニア達に共通していたのは、モーターの回転軸受け部に対する設計上の基本理念が確立されており、各社独自の思想に基づいて進化していったと考えられます。 モーターにぴったり付くように組み込まれたトランスポート部はTD124や301のように水平的作動にようるものではなく、立体的に動くようになっています。 それがコンパクトなブロック体として構成されています。
センタースピンドル部は、スピンドル底部に大きめのベアリングボール落とされ、これは軸受け内径とぴったりと合う大きさです。 ベアリングがスピンドルボックス内でガタつくことなく、プラッターに強固に取り付けられたスピンドルとの平滑さが保たれます。 スピンドルボックスは底部ネジでベアリング高さがある調整できるようになっています。 。プラッター総重量は大変重く、外周が丸くテーパーがかけられて成形されています。 アイドラーは外周接触部がテーパー処理され、回転軸部はワッシャーとネジで留められています。 素朴ですがしっかりしていて問題ありません。 プーリーは少し変わっており、スプリングが組み込まれたローターシャフトに差し込み固定される工夫がなされています
重量的にはやや軽量で、素材はただの真鍮では無く何かの合金です。 電源スイッチ部は回転数選択レバーと一体化しており、コラロ特有のものです。
つづく
以上T氏
1958年版英国Hi-Fi YEARBOOKのレコード部門の巻頭にフラッグシップモデルとして掲載され、レストアしてみますと優秀な性能に驚きましたので、紹介してみます。
4T200型の仕様と構造
構造は、ガラード301とトーレンスTD124のいいとこどりをしたもので、モーター下部のスラスト部などはその最たるものです。 モーター自体は、取り外そうとするとトランスポート類との関係で、調整で不具合が生じる恐れがあったため、下部ハウジングカバーを外すだけで回転部を分解することにしました。 面白い構造です。 ローター軸シャフトが乗って回転します。 ベアリングはフェルトとひし型のスプリング板で固定されるようになっているのです。 さらにTD124と同じ型式のピーナツがあってベアリングを挟むように配置され、ひし型スプリング板を固定している2本のネジでピーナツの自在さ(ローターの回転に伴う自動調芯)を調整します。 ローター軸シャフトの底には、回転軸を定めるくぼみがあり、301のローター下部のスラストと同じ構造になっています。 このようにTD124と301の良いとこどりのようですが、実は歴史を考えるとコラロの方が先のようなのです。 当時のエンジニア達に共通していたのは、モーターの回転軸受け部に対する設計上の基本理念が確立されており、各社独自の思想に基づいて進化していったと考えられます。 モーターにぴったり付くように組み込まれたトランスポート部はTD124や301のように水平的作動にようるものではなく、立体的に動くようになっています。 それがコンパクトなブロック体として構成されています。
センタースピンドル部は、スピンドル底部に大きめのベアリングボール落とされ、これは軸受け内径とぴったりと合う大きさです。 ベアリングがスピンドルボックス内でガタつくことなく、プラッターに強固に取り付けられたスピンドルとの平滑さが保たれます。 スピンドルボックスは底部ネジでベアリング高さがある調整できるようになっています。 。プラッター総重量は大変重く、外周が丸くテーパーがかけられて成形されています。 アイドラーは外周接触部がテーパー処理され、回転軸部はワッシャーとネジで留められています。 素朴ですがしっかりしていて問題ありません。 プーリーは少し変わっており、スプリングが組み込まれたローターシャフトに差し込み固定される工夫がなされています
重量的にはやや軽量で、素材はただの真鍮では無く何かの合金です。 電源スイッチ部は回転数選択レバーと一体化しており、コラロ特有のものです。
つづく
以上T氏