2010年10月07日
TD124のモーターが破壊に到るまでの道筋-1
レストアするTD124のモーターの状態が日増しに悪くなって行くのを痛感しています。 中にはローターのコイルにレアショートが発生し、完全に壊れてしまったものもあります。 実際に壊れたモーターの状態や回転系との関係等を考え続けていると、TD124のモーターの破壊に到る過程が少しずつ解ってきました。 長いこと使われていなかったTD124を、いきなり動作させて使用するのが破壊の第一の原因です。 モーターに規定外のストレスがかかり発熱が増大してコイルに負担がかかりショートに到るのです。 正常に回転しているから大丈夫という訳でもなく、そのように扱われたモーターはそれなりのダメージは受けています。 TD124が発売されてから50年という年月が経っており、人間に例えてみると発売時は健康な20代であったTD124でも、現在は70才ということになります。 まさか70才の人が20代の若者と同じように動けるはずもありません。

なんとか動いているノンレストアのTD124は、病気持ちか老化した70才ということになります。 中古TD124が本格的に私達の前に姿を現したのは、今から30年ほど前であったと記憶しています。 主にアメリカ合衆国から輸入され、他のオーディオ製品と一緒に我国に輸出されたのです。 大手輸入業者から小売り業者に振り分けられたTD124は、この時代まだガラード301の時代であり、その後もガラード301の価格は14万〜35万位であったのに対して、TD124は6〜9万位で、あまり売れる商品とはいえませんでした。 ところがスイスのユルク・ショッパーが、TD124ルネサンス計画を行い始めると状況は一変します。 今まで回らなかったTD124が回るとなれば、TD124の市場価格は少しずつ上昇し、その後グレイがユルク・ショッパーから補修パーツの提供を受けレストアを始めると、価格は更に上昇し、状況は劇的に変わりました。 TD124としては、その価値が認められて喜ばしいことですが、実はこのことがTD124のモーターを破損に導く原因ともなってしまったのです。 それはTD124の市場価格が上昇したことにより、今まで動かなかったTD124をなんとか動かし高値で販売しようと、インターネットのセミ・プロや我が国の販売業者が画策し始めたからです。 こうした状態のTD124を急に動かすことは、リタイアした老人(いつも自宅の周りで散歩するだけ)を急にフルマラソンさせる様なもので、心筋梗塞を発症させるのは確実です。 ノンレストアのTD124を使っておられる方へひとこと、そのまま使い続けると、モーターの破損へのカウントダウンは日々刻々と進んで行くことは紛れもない事実なのです。 つづく
以上 T氏

なんとか動いているノンレストアのTD124は、病気持ちか老化した70才ということになります。 中古TD124が本格的に私達の前に姿を現したのは、今から30年ほど前であったと記憶しています。 主にアメリカ合衆国から輸入され、他のオーディオ製品と一緒に我国に輸出されたのです。 大手輸入業者から小売り業者に振り分けられたTD124は、この時代まだガラード301の時代であり、その後もガラード301の価格は14万〜35万位であったのに対して、TD124は6〜9万位で、あまり売れる商品とはいえませんでした。 ところがスイスのユルク・ショッパーが、TD124ルネサンス計画を行い始めると状況は一変します。 今まで回らなかったTD124が回るとなれば、TD124の市場価格は少しずつ上昇し、その後グレイがユルク・ショッパーから補修パーツの提供を受けレストアを始めると、価格は更に上昇し、状況は劇的に変わりました。 TD124としては、その価値が認められて喜ばしいことですが、実はこのことがTD124のモーターを破損に導く原因ともなってしまったのです。 それはTD124の市場価格が上昇したことにより、今まで動かなかったTD124をなんとか動かし高値で販売しようと、インターネットのセミ・プロや我が国の販売業者が画策し始めたからです。 こうした状態のTD124を急に動かすことは、リタイアした老人(いつも自宅の周りで散歩するだけ)を急にフルマラソンさせる様なもので、心筋梗塞を発症させるのは確実です。 ノンレストアのTD124を使っておられる方へひとこと、そのまま使い続けると、モーターの破損へのカウントダウンは日々刻々と進んで行くことは紛れもない事実なのです。 つづく
以上 T氏