2011年01月09日
フォノイコライザーEQ11 1号機到着 その3
昨日よりEQ11の電源をオンにして24時間以上連続動作させているが、音質はまったくダレずに安定している。 温度管理がしっかりしている証拠に、シャシーはずっと人肌の温度。 ハムはもちろんノイズも出ない、微弱電流を扱うプリアンプやフォノイコライザーを製作した経験のある方なら、高音質と精巧なEQ再生を備えた機器がどれほど技術と経験を要するかご存知のはず。 いたづらに高価なパーツ部品、最高の回路を採用していると謳っていながら、レコード本来の音質が得られないフォノイコライザーがいかに多いか。

EQ11はステレオ仕様のフォノイコライザーで、前回発売したEQ10(モノーラル仕様)といろいろな面で異なる。 マニアックなEQ10は何千種ものEQ曲線に対応して、ほとんどすべてのレコードに対応でき、出力アッテネーターも付属していたのに較べ、これは6つのEQ曲線にのみ対応し固定出力としている。 それは出力アッテネイター付EQ10はメインアンプにダイレクトに繋がないとフォノ出力の鮮度が落ちてしまうのに対し、EQ11はプリアンプのAUX端子などに接続したうえで、プリアンプのトーンコントロールを併用してEQ曲線の精度を上げられるように設計されている。 実際AUX端子に接続して音出ししても、聴感上問題なく鮮度は保たれている。 こうしてEQ11を使用して聴いていると、レコードをEQカーヴはおろか、トーンコントロールもなしに再生するなんてナンセンスだ、と実感する。 レコードは本来自分の好みの音で聴くものなのだから、トーンコントロールのない装置で再生音をアンプまかせにしてしまうなんて、もったいない、というよりレコードを自分の好みで聴くのは不可能だ。 CDや他の現代のフォーマットとは違う。 現代のフォーマットは写真や映像のようなものであり、レコードはといえば自分のイメージで描く絵画のようなものだと、僕は思っている。 タッチや響き、オーケストラの色合い、弦楽器の肌触りなど、レコードならば 工夫次第、調整次第。
レコードから音楽を積極的に聴こうという方が、歪み成分が増えるという理由から、ヴォリュームとバランスコントロールだけのプリアンプを使用していたとしたら、音楽の一番大切な部分を聴くことはできない。 部屋のアクースティック、アンプとスピーカーの周波数特性の相性の違い、カートリッヂだけ見ても周波数特性や両チャンネル出力にバラツキが出るのに、トーン・コントロールが無いアンプでは、なす術がない。 CDではなく、レコードをメインにして聴くのであれば、それではレコード音楽にあるおいしいところを聴き逃してしまっていることになる。 現代のアンプ製作で決定的な問題は、ヴィンテージ時代のような優れた周波数特性を持つヴォリューム部品が手に入らないこと。 入手できないというより、古いタイプのヴォリューム部品は現在生産されていない。 それでアッテネーターを代用するようになり、どれもあっけらかんとした音しか出なくなる。 深みや音色といった音楽の大切な要素を音格として具現できない機器ばかり。 このごろのオーディオを操る方たちの音を聴かせていただくと、定位とか音場の広さ、ディテールがどれくらい見えるか、自然界ではありえない品のない低音などに気がいってしまい、音の肌触りや香り、演奏家の伝えたいふくよかな気持ちが聴こえてこない。 ハイエンドオーディオもたまに聞かせていただくが、音は精緻、音楽がずいぶんと遠くで鳴っているように聞こえてしまう。 ちょっと脱線してしまったかな。 つづく

EQ11はステレオ仕様のフォノイコライザーで、前回発売したEQ10(モノーラル仕様)といろいろな面で異なる。 マニアックなEQ10は何千種ものEQ曲線に対応して、ほとんどすべてのレコードに対応でき、出力アッテネーターも付属していたのに較べ、これは6つのEQ曲線にのみ対応し固定出力としている。 それは出力アッテネイター付EQ10はメインアンプにダイレクトに繋がないとフォノ出力の鮮度が落ちてしまうのに対し、EQ11はプリアンプのAUX端子などに接続したうえで、プリアンプのトーンコントロールを併用してEQ曲線の精度を上げられるように設計されている。 実際AUX端子に接続して音出ししても、聴感上問題なく鮮度は保たれている。 こうしてEQ11を使用して聴いていると、レコードをEQカーヴはおろか、トーンコントロールもなしに再生するなんてナンセンスだ、と実感する。 レコードは本来自分の好みの音で聴くものなのだから、トーンコントロールのない装置で再生音をアンプまかせにしてしまうなんて、もったいない、というよりレコードを自分の好みで聴くのは不可能だ。 CDや他の現代のフォーマットとは違う。 現代のフォーマットは写真や映像のようなものであり、レコードはといえば自分のイメージで描く絵画のようなものだと、僕は思っている。 タッチや響き、オーケストラの色合い、弦楽器の肌触りなど、レコードならば 工夫次第、調整次第。
レコードから音楽を積極的に聴こうという方が、歪み成分が増えるという理由から、ヴォリュームとバランスコントロールだけのプリアンプを使用していたとしたら、音楽の一番大切な部分を聴くことはできない。 部屋のアクースティック、アンプとスピーカーの周波数特性の相性の違い、カートリッヂだけ見ても周波数特性や両チャンネル出力にバラツキが出るのに、トーン・コントロールが無いアンプでは、なす術がない。 CDではなく、レコードをメインにして聴くのであれば、それではレコード音楽にあるおいしいところを聴き逃してしまっていることになる。 現代のアンプ製作で決定的な問題は、ヴィンテージ時代のような優れた周波数特性を持つヴォリューム部品が手に入らないこと。 入手できないというより、古いタイプのヴォリューム部品は現在生産されていない。 それでアッテネーターを代用するようになり、どれもあっけらかんとした音しか出なくなる。 深みや音色といった音楽の大切な要素を音格として具現できない機器ばかり。 このごろのオーディオを操る方たちの音を聴かせていただくと、定位とか音場の広さ、ディテールがどれくらい見えるか、自然界ではありえない品のない低音などに気がいってしまい、音の肌触りや香り、演奏家の伝えたいふくよかな気持ちが聴こえてこない。 ハイエンドオーディオもたまに聞かせていただくが、音は精緻、音楽がずいぶんと遠くで鳴っているように聞こえてしまう。 ちょっと脱線してしまったかな。 つづく