2011年01月12日

オーディオ統一理論 10

オーディオ機器の動作様式 1
オーディオ機器の動作では、圧縮、拡張、反応力という要素は良き再生にとって、必要不可欠なものです。 しかし今日のオーディオ製品の動作法は、LPレコードが開発されたヴィンテージ期のものとは隔たったものになってしまいました。 何故この様になってしまったかについては、後の機会にまわすことにして、先にオーディオ機器の動作形式には三種類あることを書いていきます。 三種類とはまず核反応力を使ったもので、これはヴィンテージ時代の動作形式です。 次は火力発電式、これはパワーアンプの力で直接、スピーカーをドライブしようとするもの。 最後は水力発電式で、アンプの出力でスピーカーをドライブするまでは同じですが、火力発電のように何かを燃焼させてパワーを出すと言うものではなく、量の圧力を利用したものです。 この三つが現在のオーディオ界に平列的に存在しています。 

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核反応力については、今まで述べてきましたので説明は省きます。 今回は火力発電式と水力発電式に的を絞ってみましょう。 まず火力発電式の製品の代表として上げるのは、マッキントッシュのアンプリファイアーで、出力の大きなパワーアンプと可変力を保有するプリアンプで成り立っています。 パワーとプリを接続して初めてマッキントッシュは作用することに関心を払う方は多くありません。 専用プリを用いず、パワーアンプ部のみを使ったりしている方を見かけますが、それは正しいことではありません。 思い出して頂きたいのは、最初にマッキントッシュ社が好評を博した、1955年発売のC8とNC30の組み合わせの妙です。 当時としては、大出力にあたるMC30の30Wという出力と、それとは真逆のあらゆる調整を可能としたC8プリの姿の本質は、今日の信号のストレート伝達思想とは全く正反対のものでした。 この機器にある信号自体のクオリティ損失を考慮すれば、C8は悪者になってしまいます。 しかしマッキントッシュ社があえてこれを行ったのは必ずしも全面的に時代の要請に従った為ではなく、必要だったからです。 つまり火力発電式の場合、パワーアンプの出力の暴走をコントロールするには、プリの可変力が無ければならないという明快な思想があったからです。 これはその後のマッキントッシュ社の基本ポリシーとなり、伝統にもなりました。 その為CDの時代になっても、本来無用とも思われる様々な可変を可能にするファンクションを持つプリを作り続けてきました。 それは正しいことであると私は思っています。 それが証拠に創業以来60年を経ても、今でも新製品をオーディオ市場に供給しており、その成功の秘密は、この基本ポリシーを頑なに守ってきたことにあるのです。 マッキントッシュ社のパワーアンプリファイアーの出力をコントロールするには、可変力のあるプリアンプリファイアーが必要であるという形は、火力発電式オーディオの本来持つべき姿であるのです。 この形式は、ケンタウロスのようなものです。 ケンタウロスは、下半身は馬(又はロバ)上半身が人間と言う姿をしておりマッキントッシュのアンプの動作法そっくりです。 これに対して複雑なコントロールプリを持たないプリ、パワーアンプの組み合わせは、乗馬型と例えることが出来ます。 両者の違いは、馬にムチをあてるかあてないかの違いです。 ケンタウロスの場合、馬の部分に対してムチをあてることは決してないはずです。 自分自身をムチ打つものはおりません。 しかし乗馬型は、平気でムチをあてることが出来る、何故なら馬と騎手は全く別物であり関係ないからです。 両者は再生においてどの様に働いているのでしょう。 ケンタウロス型の場合は、アンプリファイアー同志が相互に反応体として成り立っていると考えた方が自然であります。 しかしそれは核反応力の様に、電気信号伝達において、パワーアンプリファイアー部の出力電流・電圧を方便として使ったものではなく、電圧・電流イコール電気信号の形として使用したものです。 ここでは電圧・電流が方便ではなく実体として働いているのです。 その意味でケンタウロス型は反応力と言う点で捉えれば、確かに反応力は存在するのですが、それは核反応とはまた異なったものとしたほうが良いと思います。 乗馬型の場合は、入力信号を可変せずストレートに信号を通すというポリシーによって、結果的にパワーアンプにムチを打ってしまうと言う現象が発生し、そのためにパワーアンプ入力側が目詰まり現象を起こしてしまい、プリ側のボリュームをいくら上げても再生音が伸びずラウドネス化して、リスナーの耳を圧迫してしまうと言うことが起こりがちになります。 DSC_0013今までのオーディオ思想ではこれを相性として片付けておりました。 それは、プリ側入力レベル、出力レベル、電圧値、インピータンスがパワーアンプ側の適正入力電圧値と合致していても発生してしまうからです。 しかし反応力という定規で図れば、全く違った結果が導き出されます。 論理的に考案すればすぐわかります。 電圧比、インピーダンス等のトータルゲインが合致していても、良い結果が得られないということの原因は、そのアンプが良質のものであるかないか、また良質のものであれば、それぞれのアンプリファイアーの内部の働きに求められることになります。 働きに求めると言うことは、反応力の在り方と言うものに自然に考えが進んでいきます。 プリアンプリファイアーも、パワーアンプリファイアーも、およそアンプリファイアーという形をとるものは、入力から出力に到るまでの内部動作が、反応体で成り立っているからです。 オーディオ機器の動作において電気は、反応力を内含しているからです。 反応力から見ると、プリ、パワーアンプいずれの内部経路において、それぞれ別の反応力が、時には正位、反位として振舞っていると言うことが判ってくる。 そうすればこれらの正位、反位電気信号がトータルとして働いていない為、不具合が起こることが理解されます。 こうした現象が発生するのは、プリアンプ、パワーアンプ同志の相互干渉力による反応力のズレが原因であると、おのずと理解できます。 マッキントッシュ社が、プリとパワーアンプをセット開発するのは、何よりプリとパワーアンプの相互干渉のズレを最小にし、未然に防止すると言う目的の為であります。
つづく
以上T氏


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