2011年03月21日

bernstrom氏の新型ステレオフォノイコライザーアンプご紹介

このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまに
謹んでお見舞い申し上げます。

ご心配をおかけしておりますが、
グレイオフィスは、通常通り営業させていただいております。
今後ともよろしくお願い致します。



いろいろフォノイコライザーアンプについて書いてきましたが、スウェーデン在住のbernstrom氏より新しいステレオ仕様のフォノイコライザーアンプが送られて来ましたので、その音質をお知らせしたいと思います。 bernstrom氏はかつてEQ10というモノーラル・イコライザーフォノ・プリアンプを制作し、グレイが代理店として販売していました。 このEQ10は複数の録音イコライザーカーブを持った優れもので、その音楽的な表現力の豊かさは、圧倒的な迫力と優れた解像力を併せ持ち、どの様な可変においても基本的な音の姿が崩れない特長を持っていました。 今後まずEQ10の様な製品は現れないでしょう。 幻の名器となってしまいました。 数少ないEQ10を手に入れられた方々は幸運であります。 ではEQ11はどうかと言えば、これもまた中々なもので、現行品の製品の様なこれ見よがしのハッタリは一切なく、押さえるべきところはきっちり押さえた音で、決して音楽が痩せるようなことが無いのは大したものです。 現在、英国グッドセル社のプリに繋いで試聴していますが、再生音の印象としては、古い時代のステレオ録音では、グッドセル本体のフォノイコライザーに分があり、録音が新しいものになるとEQ11に分があります。 古いステレオ録音の場合は、やや音が本体フォノイコライザーの音に比べて、音のコクが足りず平面的となりますが、これはEQ11の方が高域特性が伸びているため、この様に聴こえてしまうからです。 従って録音自体が新しい時代のものになると、この現象は解消されます。 しかしこれは、大変な力技で、グッドセルのプリアンプは、モノーラルアンプが二台は入っている強力な代物で、余程の力量が無いとまともに鳴ることは無いからです。 グッドセル・オリジナルフォノイコライザー部と対等に渡り合えるフォノイコライザーアンプ等、市販品ではまずありません。 それは、グッドセルプリの音楽力に太刀打ちできないからです。 特にクラシックに於ける音場の構築性は素晴らしく、さすがプロの仕事と言うしかありません。 EQ10でも特別な部品は使っていなかったので、EQ11も同じはずですが、音の抜けの良さは、完全にステレオ対応になっているのには驚かされます。 さらに音のくまどりという点では、EQ10の場合は相当コントラストが強めで、これがモノーラル再生には有利となりますが、同じ事をステレオでやった場合は、あざとさが出てきます。 bernstrom氏はそんな馬鹿なことはしなかったようで、あくまでナチュラルに仕上げています、そのためジャズの再生でも自然な熱っぽさ、プレイが加速された際に生ずる自然発生的な音楽力の発現もいともたやすく表出できるのです。 EQ11は、大変優れたフォノイコライザーアンプとして、現在オフィスに在りますが、その開発販売に関して私としては少し懐疑的でした。 それは昨年EQ10が全ての製造を終了したのち、bernstrom氏より今度はステレオのフォノイコライザーを作ると言う知らせが届き、細様を問うたところ、EQ10のようなライン部の無い、市販品と同様の単体フォノイコライザーであったからです。 EQ10の最も良い所は、レコード専用フォノイコライザープリアンプと言う形をとっており、既存のプリを通さず直接パワーアンプを駆動できるもので、これにより今日のヴィンテージプリアンプの問題点である経年変化、及び不充分なレストアによる音質劣化をパス出来ると言う利点があったからです。 ところがEQ11の場合は単純なフォノイコライザーであり、プリを通さねばなりません。 そして接続されたプリがどの様な状態にあるかは、販売者側は知ることが出来ません。 その結果音が良く無いと言われるかもしれません。 ラインコントロールアンプもセットで作ることも考えられましたが、答えはEQ11で充分だと言うものでした。 まずは試作機が送られてきた時点での音を聴いて判断することに、試聴した結果改めてbernstrom氏の力量を思い知らされることになりました。 グッドセルのフォノ部と互角に渡り合えるならば、充分使える製品であるからです。 更にEQ11の存在は、現在問題のマランツ7のフォノイコライザー部に、とって代わることが出来ると思っています。マランツ7の場合は、フォノイコライザーの特性が正常な値のものが極めて少なく、仮にレストアしても、本来のものには中々近づくことが出来ません。 動くと言うことと、きちんと動くということの差位は天と地ほど違います。 このマランツ7の窮地をEQ11は救うことが出来るのではと考えています。 マランツ7はフォノイコライザー部さえ無ければ(ラインコントロールプリとして使えば)音質の調整はそれほど難しく無いはずです。 これによってマランツ7は生き返ることが出来ます。(あくまでライン部が完調であれば!!)
さらにEQ11の再生音に対する力の在り方は、ちょっと不思議なところがあり、性質としては水性なのですが、浸透力は水性と言うより肉質感があり、音色自体が浸透しながらも薄まることがありません。 この力があるからこそbernstrom氏は自分の製品を販売するに当たって、決してボラないと言うのも、今日のヨーロッパのオーディオ販売業者と違うところで、ベラボーな価格は付けません。 私の感想ではかつてのEQ10は30万円ちょっとで販売したはずですが、本来は70万円で出しても良いと思ったくらいです。 EQ10はそのくらいの値打ちは充分あります。 EQ11もまた、EQ10と同様コストパフォーマンス(古い言葉!!)性の高い製品です。 皆様にはあらためてオーディオにおける価格の等価性を思い出して頂きたいと思います。
以上T氏



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