2011年05月20日

こんなの作っちゃいました 漆

ボツになったエンクロージャ
今回は同じPHILIPS製OTLユニットを使用したエンクロージャでボツになったエンクロージャについて書きます。 まずAD3800AMユニット使用のエンクロージャです。 このAM型は800Ωのインピータンス仕様となり、フィリップス社のOTLアンプリファイアに適合するものであります。 前回に書いたBM型400Ωユニットと外形はほとんど変わらず、ただインピータンスのみが異なっているように見えますが、実際は全く別の性格を持つものです。 まずコーン紙が400Ωのものは薄く強度があり、パンパンに張っておりますが、800Ωのものはやや柔らかく、コーン紙自体の内部損失が800Ω仕様より大きいようです。 従って400Ω仕様の様に、オーバータンプ的なものではなく、再生周波数的にもバランスのとれたものであります。 仮に400Ω仕様のものが、800Ωのものと同じコーン紙であったなら、二発取り付けると低音はダブつく可能性があります。 フロントロードとバスウルトラレフレックスという中低域増強型のエンクロージャであっても、この様な低音のダブつきが無いのは、400Ω仕様のものが見た目よりオーバーダンプであることを示しています。 一方800Ω型は、あくまでフルレンジ一発で再生を行うため、400Ω仕様のものよりfoを下げてあると考えることが出来ます。 従って特性としては素直さを持っていますが、エンクロージャ作りはかえって難しくなります。 だがあくまで高音質を狙う場合のことであり、それなりの音で満足するなら、普通の密閉型かバスレフ型で充分です。 実際フィリップス社の推奨エンクロージャはそういう定番の形式に従って設計されています。 しかし皆様に是非知っておいて頂きたいのは、古いヴィンテージスピーカーユニットの場合は、エンクロージャをどう作るかによって再生音のクオリティは変化します。 P1010225
どの様なクオリティかはすべて製作者に委ねられ、当時はこの様な作業をオーディオマニア自身が楽しんでいたと思われます。 従ってユニットの数は多いのに、エンクロージャは少ないと言うことが起こり得るのです。 ヴィンテージ時代のオーディオの基本は手作りにありました。 スイッチしかいぢれない現代オーディオとは根本的に違います。 音は創り出さなければならなかったのです。 さてAD3800AMユニットのエンクロージャはどの様にすべきか、例によってフィリップス社の図面集をめくって行くと、音響迷路型があるのが目に止まりました。 音響迷路型の歴史は古く、米国ストロンバーグ・カールソン社のものがあり、RCAのオルソン・スピーカーも音響迷路型バックロードホーンです。 又このエンクロージャ形式は、音道を途中から変化させるとすぐバックロードホーンになってしまいます。オルソン・スピーカーもこの様な構造をとっていますが、タンノイのCRFやオートグラフもリアローディングと呼称してはいるが、根っこの所では音響迷路型の思想が色濃くただよっており、別の見方をすれば、GRFやオートグラフは、音響迷路型を拡大解釈したものと言えなくも無いのです。 さて実際に作っては見ましたが、写真を見れば判りますが、このエンクロージャは未完成で、本来はもう一つ外側に箱を作らないと完成しないものです。 それをしないないのは音が悪いからではなく、製作における分止まりが悪いからです。 今回製作したエンクロージャは二重構造になっており、内箱と外箱を作らねばなりません。そのコストと手間を考えると、気張らずに聴けるというコンセプトとの兼ね合いがどうしても合わない。 こんなに手間をかけなくても目的達成する方法はあるからです。 従ってこのスピーカーは、当分このままであります。 再生音は大変クリーンで全体的にフラット感があります。 又低域のダンピングがきちんと制動が掛っており、サイズから見るよりずっと低域が伸びています。コンパクトなエンクロージャで横41cm、縦52cm、奥行き36cm
              
これもボツになった蘭PHILIPS社製OTL12インチ(30cm)ユニット用エンクロージャ
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400Ω二発入りエンクロージャを、30cmフルレンジ用に作り変えたのがこのシステムですが、これもまたお蔵入りの可能性があります。 
PC040116その理由は強烈過ぎる音ゆえで、ジャズはバリバリ鳴るが、クラシックがPA的になってしまうからです。 同じ12インチのフィリップス社製9762M型とは全く違う性格で、シアター用に使えると思えるほど強力なエネルギーを発散致します。 このユニットを4発使い、高域用にマルチセルラホーン・ドライバーを組み合わせれば、かなりの空間拡散力が得られるはずです。 将来的にはこのユニットははずし、替わりに米国RCA製30cmフルレンジを入れてジャズ・ポピュラー専用にしようとも考えております。  つづく
以上T氏

地蔵堂に棲むウグイスはホーホケキョ と静かに響いた。
ちょっと前はゥホーォホケキョ と妖艶に啼いた。
一月前には、ホーホーケキョ とたどたどしく啼いていたのに。



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