2011年07月04日
デュオド物語 4
その性質とエンクロージャーの考案
それは人間の聴覚に問題があることに気がつきます。 それは私達の聴覚は水平方向には鋭敏さを示すが、垂直方向には水平方向ほど鋭敏では無いと言うことです。 例えば日常生活において、私達は絶えず車に対する危険意識を頭に入れて行動しなければなりません。 その車をライオンに置き換えてみましょう。 そうなると危険は、常に水平方向からだけではなく、頭の上から降って来ることまで意識しなければなりません。 これは通常の私たちの生活の防衛本能を超えています。 また聴覚は視覚と連動して、対象物の危険度をチェックします。 ところが、視覚を急に奪われるとどうでしょう? 例えば真っ暗な広い部屋に入れられたとしたら、まず、私達が頼りとするのは重力です。 これによって私達は足が下であることを知り、次に垂直軸を基として水平方向に注意を向けます。 何しろ危険はそこから来る確率が高いからです。 しかし暗闇ではこの水平方向も又不確実性を帯びており、それゆえ混乱気味となってしまう。 この意味する所は何か、それは何かしらの音源を特定するためには情報を整理し、定められたものとする必要があると言うことです。 まして人工物であるスピーカーの場合はなおさらです。 指向特性は定められたものでなければ、人間の聴覚は暗黒の部屋の場合と同じく混乱してしまうのです。 これがタンノイのユニットの場合しばしば起こることで、物理特性的には何の問題が無いとしても、聴覚上広範囲に音を拡散されると聴覚がついていかないのです。 タンノイの指向特性の悪さ(聴覚的な)は高音用ドライバーの音を、低音コーン紙が360度に広げて空間に放出していることにより起こるのです。 タンノイユニットの中抜け現象、オーケストラでホルンが突然行方不明になったりすることは、実際はそんなことが無いにもかかわらず、聴覚がその音を拾いきれずに聴き逃してしまう為に起こるのです。 人間の聴覚はそれ程優れているものではなく、本来不器用なものなのです。 この様な人間の聴覚に配慮しているのか、ラジアルホーンの間口は水平60度又は80度の広角に対して、垂直方向は40度に設定されています。 以前別項で述べたフィリップス社ユニット用ホーンの製作で、もっともよい角度は60度であったことを改めて知っておいていただきたいと思います。 しかしほとんどのオーディオ愛好家はタンノイのユニットに対して、私の様には思われていないはずです。 何故なら、タンノイのプレッシャーユニットは空間への浸透力が強力になるようデザインされており、前述した問題点を悟られない様にしているからです。 この高音がいかにエネルギーに満ちたものであるかは、オートグラフを見ればすぐ判ることです。 長大なリアローディング部を設けても、問題なくバランスしてしまうのですから。 さらに定位の優秀さと言う点に関して述べれば、一点から音が出るから定位が良いと言うのは全くの都市伝説であり、これは私達の実際の音楽体験から導き出せば直ちに理解できるのです。 実際の演奏会又は、アナログレコード再生において、音源がただ一つから出るものは、ギターソロ又はアカペラ独唱くらいのもので、その他は複数であることの方が多いのです。 つまりスピーカーは複数の異なった音を一つのユニット(マルチは除く)で出さねばなりません。 複数の音源の再生を一つの所から出るから定位が良いとはあまりに理不尽なことです。 デュオドの場合を考えて見ましょう。 高音域を司るラテックス振動板は、プレッシャータイプではなく、むしろコーン型ツイーターに近いと思われます。 たとえメインのコーン紙が深く絞り込まれた形状であっても、再生音はタンノイの様には飛びません。 コーン紙にプレスされたコルゲーションも、モノーラル再生における『深み』の再現力には効果があるとしても、音を飛ばすと言うことに関しては障害となるのです。 この様に考えていくとデュオドのメインコーン紙はメガホン効果に似た動きをしていると推測できますが、それでも高音用ラテックス振動板が、タンノイのプレッシャーユニットの様に能動的であれば、空間拡散力は高まりますが、どう見ても受動的にしか働いていない。 そしてメインコーンをタンノイのコーンの働きと重ね合わせると、ホーンとして空間にラテックス振動板の発生させる高音部を拡散させるには中途半端であり、ホーンと言うより、スロートとして働いていると感じます。 そうであるなら、全面開口部に何らかのホーン効果が得られるイコライザー又は拡散器を設置したら良いのではと思い、簡単なものを作ってみました。 これはかなり効果が上がり、正面軸30度でもかなり明確に高音が聴き取れるようになりました。
コーン自体がスロートとして働いているとすれば、別にフレアー部を設けて音を整えてやれば、イコライザーも更に効果的に働いてくれるはずであると結論を下したのです。 これで徐々にデュオド専用エンクロージャーの姿が浮かんできました。 まずユニット開口部のイコライザーディフィサーは欠かせない、次にフレアー部によってタンノイのプレッシャーユニットのスロート部の様に音に加速感を持たせ、空間浸透力を向上させる。 エンクロージャーは前面バスレフ型として、エンクロージャー内部の空気圧力を外部のものとあまり違わない様にして、ユニットに負荷をかけないようにすること、この三つがデュオド専用エンクロージャーの製作に当たってのコンセプトとして決定しました。 つづく
以上T氏

それは人間の聴覚に問題があることに気がつきます。 それは私達の聴覚は水平方向には鋭敏さを示すが、垂直方向には水平方向ほど鋭敏では無いと言うことです。 例えば日常生活において、私達は絶えず車に対する危険意識を頭に入れて行動しなければなりません。 その車をライオンに置き換えてみましょう。 そうなると危険は、常に水平方向からだけではなく、頭の上から降って来ることまで意識しなければなりません。 これは通常の私たちの生活の防衛本能を超えています。 また聴覚は視覚と連動して、対象物の危険度をチェックします。 ところが、視覚を急に奪われるとどうでしょう? 例えば真っ暗な広い部屋に入れられたとしたら、まず、私達が頼りとするのは重力です。 これによって私達は足が下であることを知り、次に垂直軸を基として水平方向に注意を向けます。 何しろ危険はそこから来る確率が高いからです。 しかし暗闇ではこの水平方向も又不確実性を帯びており、それゆえ混乱気味となってしまう。 この意味する所は何か、それは何かしらの音源を特定するためには情報を整理し、定められたものとする必要があると言うことです。 まして人工物であるスピーカーの場合はなおさらです。 指向特性は定められたものでなければ、人間の聴覚は暗黒の部屋の場合と同じく混乱してしまうのです。 これがタンノイのユニットの場合しばしば起こることで、物理特性的には何の問題が無いとしても、聴覚上広範囲に音を拡散されると聴覚がついていかないのです。 タンノイの指向特性の悪さ(聴覚的な)は高音用ドライバーの音を、低音コーン紙が360度に広げて空間に放出していることにより起こるのです。 タンノイユニットの中抜け現象、オーケストラでホルンが突然行方不明になったりすることは、実際はそんなことが無いにもかかわらず、聴覚がその音を拾いきれずに聴き逃してしまう為に起こるのです。 人間の聴覚はそれ程優れているものではなく、本来不器用なものなのです。 この様な人間の聴覚に配慮しているのか、ラジアルホーンの間口は水平60度又は80度の広角に対して、垂直方向は40度に設定されています。 以前別項で述べたフィリップス社ユニット用ホーンの製作で、もっともよい角度は60度であったことを改めて知っておいていただきたいと思います。 しかしほとんどのオーディオ愛好家はタンノイのユニットに対して、私の様には思われていないはずです。 何故なら、タンノイのプレッシャーユニットは空間への浸透力が強力になるようデザインされており、前述した問題点を悟られない様にしているからです。 この高音がいかにエネルギーに満ちたものであるかは、オートグラフを見ればすぐ判ることです。 長大なリアローディング部を設けても、問題なくバランスしてしまうのですから。 さらに定位の優秀さと言う点に関して述べれば、一点から音が出るから定位が良いと言うのは全くの都市伝説であり、これは私達の実際の音楽体験から導き出せば直ちに理解できるのです。 実際の演奏会又は、アナログレコード再生において、音源がただ一つから出るものは、ギターソロ又はアカペラ独唱くらいのもので、その他は複数であることの方が多いのです。 つまりスピーカーは複数の異なった音を一つのユニット(マルチは除く)で出さねばなりません。 複数の音源の再生を一つの所から出るから定位が良いとはあまりに理不尽なことです。 デュオドの場合を考えて見ましょう。 高音域を司るラテックス振動板は、プレッシャータイプではなく、むしろコーン型ツイーターに近いと思われます。 たとえメインのコーン紙が深く絞り込まれた形状であっても、再生音はタンノイの様には飛びません。 コーン紙にプレスされたコルゲーションも、モノーラル再生における『深み』の再現力には効果があるとしても、音を飛ばすと言うことに関しては障害となるのです。 この様に考えていくとデュオドのメインコーン紙はメガホン効果に似た動きをしていると推測できますが、それでも高音用ラテックス振動板が、タンノイのプレッシャーユニットの様に能動的であれば、空間拡散力は高まりますが、どう見ても受動的にしか働いていない。 そしてメインコーンをタンノイのコーンの働きと重ね合わせると、ホーンとして空間にラテックス振動板の発生させる高音部を拡散させるには中途半端であり、ホーンと言うより、スロートとして働いていると感じます。 そうであるなら、全面開口部に何らかのホーン効果が得られるイコライザー又は拡散器を設置したら良いのではと思い、簡単なものを作ってみました。 これはかなり効果が上がり、正面軸30度でもかなり明確に高音が聴き取れるようになりました。
コーン自体がスロートとして働いているとすれば、別にフレアー部を設けて音を整えてやれば、イコライザーも更に効果的に働いてくれるはずであると結論を下したのです。 これで徐々にデュオド専用エンクロージャーの姿が浮かんできました。 まずユニット開口部のイコライザーディフィサーは欠かせない、次にフレアー部によってタンノイのプレッシャーユニットのスロート部の様に音に加速感を持たせ、空間浸透力を向上させる。 エンクロージャーは前面バスレフ型として、エンクロージャー内部の空気圧力を外部のものとあまり違わない様にして、ユニットに負荷をかけないようにすること、この三つがデュオド専用エンクロージャーの製作に当たってのコンセプトとして決定しました。 つづく以上T氏


