2012年03月22日

TD124 Mk.2 プロトタイプアイドラー発見

まず、写真を見ていただきたい。 THORENS社が試作したTD124アイドラーです。 通常の形状とは全く違った姿をしています。 英国で見つけたものです。 RIMG0387いつ、何処で、何のために作られたのかまったく不明です。 構造もオリジナルのアイドラーが鉄板をぐるりとゴムで巻いた仕様に対して、本品は外周部にのみゴムがあり、その他はプラスティックで出来ています。 プラスティックの輪ににゴムをはさんで嵌めこむという、精巧な仕様で工作されており、アマチュアや代替品を作っている業者では出来ないシロモノであるのは明白です。 明確にある意図に基づいて設定されたとしか思えません。 オリジナル代替品であれば、もっと数があっても良いし、実際にTD124に搭載されていてもおかしくないのです。 謎のアイドラーです。
 性能は驚くほどよく、Mk.2に本品を組み込むとクリアーで明快な、透明で艶やか、格段に良い音になりました。 RIMG0383さらにアイドラーの宿命である回転時の走行音がきわめて少なく、これらすべてを考えに入れて考察すれば、このアイドラーは幻となったMk.3のために試作品として作られたのかもしれません。 音色はMk.1には全く反応せず、Mk.2のみに良い結果が出ることから、作られたのはMk.2が発売された1965年以降と推測されます。 こうしたプラスティック輪芯構造はイギリス人のお家芸で、古くはガラードのRC系オートチェンジャーのアイドラー、コニサークラフツマン慧にプラスティック輪芯アイドラーが見られます。 トーレンス社がTD124Mk.3開発にあたり、イギリスのアイドラー業者に依頼して試作品を作らせ、結局Mk.3は作られず、試作品だけが残ったのかもしれません。 そうだとしたら果たして1個のみということはないはずで、もっと数があり、同種異型があるかも知れません。 このアイドラーを見て思い出したことがあります。 以前販売したガラード301に本品と同じプラスティック輪芯アイドラーがあったことです。 その時は、こうした異なる仕様のアイドラーの存在が不思議でならず、代替品としてはあまりに良く出来過ぎているし、何より構造自体が非ガラード的であり、コニサー社が作ったのではないかと思ったほどです。ガラードに詳しい業者に聞いてもそのような型のものは見たことがないとのこと。 ひょっとしてトーレンスTD124にMk.3の構想があったように、ガラード401にもMk2、もしくは501を作る構想があるいはあったのではないか? すでにベルトドライブ、ダイレクトドライブ・プレイヤーが市場を独占してため、やむなく計画が頓挫し、アイドラーだけが残され301に入れられた。 こう考えれば辻褄が合います。 以上あくまで仮想に過ぎませんが、ここにある異型アイドラーは確かに存在しており、本品が何のために作られたか、そしてこれをよすがとしてMk.3の姿形を想うしかないのです。 つづく
以上T氏
RIMG0437



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