2013年01月14日

ガラード401の真価を問う

ガラード401は今日のヴィンテージオーディオにおいてあまり良い評価を得ていません。 そのため価格は301の半分以下が相場です。 本当に301より劣っているのか定かではありません。 401が301に比べデザイン的に面白みがないため、評価は低いという話もありますが、人によっては301より性能がよいとも聞く。 私自身1970年代にジャズ喫茶等で聴いたことがありますが、その音は当時の主流であったベルトドライブ型やダイレクトドライブに決して劣るとは思わなかった。 しかしこれは好意的な見解であって、裏を返せば音の差をはっきりと確認できなかった。 つまりこれが401の音であるとはっきり断言できるものがなかったのです。 本当の401再生音がどの様なものであるか、何年も使ってみなければ本当のところはわかりません。 もしかしたら401もTD124と同じかもしれない。 TD124もグレイがレストアを始める以前には、301と比べて音が劣ると言われてきた時期もありました。 そして今日誰もTD124がガラード301に劣るとは言わなくなりました。 401もそうかもしれない。 そのようなことを思い、私はいつか401をいつかきちんとレストアしてみたいと思っていました。 昨年の秋、401をレストアする機会があり、キャビネットも製作してみることになりました。 その時に認識というか確認できたことを書いてみます。

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401と301 相違する構造
401と301とではどこが違うのでしょう。 まずセンタースピンドルの構造が異なっています。 301はスピンドルを受ける台座の下がカーブしており、スピンドルの回転につられて臼のように回転する構造です。 401はフラットで動きません。 したがってスピンドルの回転は軸受け底部だけで動作します。 次にエディカレント機構が鋳鉄製のモーターハウジングの上部に位置し、そこで回転が制御されます。 301の場合はモーターより離れたところにあるコの字型マグネットに上下を挟まれるようにしてエディカレント・アルミ製円盤が回転します。 ここで注目したいのは、401は上部マグネットひとつで行っているということです。 モーターハウジングカバーが301のようなアルミ鋳物ではなく鉄製になったため可能になったからです。 この構造のメリットはマグネットを大きくすることが出来ます。 そのためにピッチコントロールの精度が向上します。 また、ローターに取り付けられたエディカレント用円盤の取り付け方も変わったし、プーリーの固定法も301と異なっています。 さらにモーター自体の釣りバネコイルの強さが301より柔らかくなっていてアイドラーの圧力に対して動きやすさも向上しています。 これはSN比の向上を目指したためでしょう。 モーター内部のローターには301にあった空冷ファンは省かれています。 したがって空気抵抗によるローターへの影響はなくなり、大変静かに回転します。 アイドラーは基本的には同じですが、材質的には301のようなやや粘り気のあるものではなく、ややドライな感じです。 ストロボ用ライトが新設されスイッチ類、電源部は新しいものに変わっています。 プラッターは301に比べてやや乾いた軽めの響き方をしますし、ゴムシートの材質も301とは異なります。 このような構造上の違いを挙げていくと、301との共通項はトランスポート部だけということになり、あとはすべて401専用にデザインされていたことになります。  つづく
以上T氏


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