2013年01月18日

ガラード401の真価を問う 2

401レストアからわかること
まず、モーターの動作チェックから始まりますが、動かしてみた所モーター内部で何やらカラカラと音がする。 分解して調べてみるとモーター上部に組み込まれたピーナツ固定用金具のハトメが緩んでいました。 そのためピーナツがローターシャフトに当たり、回転に伴って動いていたようです。 ハトメをハンマーでたたき、一応ピーナツの鳴きは治まりましたが、この様な現象は恐らく今の401全てに発生しているか起こりかけていることだと思われます。 こればかりはモーターを分解してみなければわからないことです。 この部分は外部からオイルを注入できないのでピーナツが緩みやすくなってしまいます。 作られてから10年くらいは何ともないと考えられます。 おそらくガラード社はこのくらいもてば良いと考えていたのでしょう。 10年使ってその後何かモーターに不具合が発生したら、モーターをレストアするか新品に替えれば済むからです。 アイドラーの耐久性は301よりやや劣るようで、今回の個体も劣化が見られ、何度か入念に接触面を研磨しなければなりませんでした。 ただアイドラーのダイナミックバランスは良く、電源オフ後30秒は軽く回り続けるほどです。 トランスポート部は301より新しいせいか、ほとんど錆びは見られませんが、オイル切れによって動きはシブ目であり、クリーニングとオイルの注入を三度ほど繰り返し実施しました。 結果、トランスポート部の動きはかなり滑らかになります。 401にしても301同様にトランスポート部の移動動作が鈍くてもそこそこ動いてしまうものですが、音質に影響はやはり出てしまいます。 やはり円滑に各部品が滑らかに動作したほうがきれいな音が出るものです。 301に聴く音の渋さというのは実のところ、この部分が汚れと錆びでキチンと動作しないことにより振動のとおりが悪いために発生すると考えられるのです。 事実調整した後試聴すると、パリッとした音が出ます。 このあたりがガラード社のプレイヤーのレストア後の特長です。 確かにレストアとしては301のほうが簡便なのは確かであり、401の回転系を分解してしますと調整に時間が多く要するのは確かです。 401に関しては通常トラブルがなければクリーニングと注油程度で完了するというのはこのためでしょう。

401専用キャビネットの製作

RIMG0032

401は301とはまったく別のダンピングファクターがかかっているのため、必然的に301に採用しているダンピングファクター帰還型は適応しません。 そこで考案したのがこのキャビネットです。 RIMG0037 (2)アームボード着脱式にしてあるのがポイントです。 これはTD124のコンセプトであるいろいろなアームを取り付け可能にしようという発想とは異なり、フォノモーター部とトーンアーム部を別々にコントロールしようというのが狙いです。 そのためアームボードにはさまざまなアイデアがこめられています。 まず材質は13.5mmの桐ラミネイトボードを選び、人工漆塗料でパックしてあります。 これにより、単板特有の湿気による狂いを防いでいます。 さらにアームボード下にはダンピングコントロール用の板(6mmのMDF)が真鍮パイプの中にネジを通して止めてあります。 このネジにはコイルバネが嵌められており、締め加減によりアームボードへの圧着度が変化します。 これにより単板で作られたアームボードの響きがコントロール出来るようにしました。 また、アームボード奥にある3mmボルトはアームボードをキャビネット本体に押し付けるためのものです。 ここもコイルバネにより間接的にテンションがかけられ演奏しながら調整が可能です。 RIMG0055アームボード下とキャビネット部で連結されるフックは双方の振動の掛かり合いを調整するためのもので、フックを引っ掛ければフォノモーターボードと振動の共有が生じ、外せば解除されます。 これにより振動からくる再生音への影響を簡単に調整できます。 またキャビネットには底板が設けられておらず、本体の四本の足が直接敷板部にはめ込むようになっています。 
つづく   以上T氏

RIMG0035 (2)



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔