2013年01月20日

ガラード401の真価を問う 3

401の再生音
カートリッヂはいつものM44をSME3009アームに取り付けて試聴しました。 まず感じること、401というフォノモーターは301の改訂版あるいはマーク兇任呂覆い箸いΔ海箸任后 新型、新製品として捉えたほうが良い。 RIMG0067トランスポート部やアイドラーホイール、モーターなどは301に準ずるものであっても、再生音は301の流れを汲むものではないのです。 さらに言わせてもらえば、401をアイドラードライヴと思うのはやめたほうが良い。 401の再生音はベルトドライヴの音に近いのですから。 その再生音はトーレンスTD125と同じ傾向のものです。 レインジが広く、SN比も優秀で、周波数帯域のアバレもない、素直できれいな音が出る。 出るけれども、301のオイルタイプスピンドル仕様に聴くリズムの前進力と弾みは望めない。 風景にたとえれば401の音は山も谷も川もない、だらだらとした平野が広がるのです。 401が301と同じような機構を持ちながら、こうも音が異なる。 その原因を探っていくと両者の回転系部の働き方に答えが待っています。
まず301、回転系が歯車的な仕組みで構成されがっちりと働くようになっていて、本来エディカレント機構の力を借りなくても定回転まで持っていくことが可能です。 しかし、インダクションモーター固有の特性やスタジオで使う場合を考慮してピッチコントロール機能としてエディカレント機構を設けたのです。 つまり301の場合、エディカレント機構はサポート役に徹しています。 
一方401はエディカレント機構が回転制御の主役を担っており、回転系の歯車的な働きは301よりも後退しています。 歯車的な働きを解消させた理由は1にも2にもSN比の向上にありました。 ガラード社がそのために仕様を変更した箇所を挙げてみましょう。 まずモーター懸架コイルバネがずっとフレキシブルになり、振動をより多く吸収します。 アイドラーをプーリーに手で押し付けてみると、401のモーターは301よりもずっと軽く動いてしまいます。 アイドラーの圧力に反発することも、アイドラーに負けまいとする反発力がありません。 かわりにアイドラーの圧力を吸収して寄り添うような動きをするように懸架されています。  301はプーリーはかたくなにその位置を維持しようとする動きをします。 アイドラーを押し返そうとする動きです。 この差、プラッターの回転にそのまま現れ、301は手でプラッターを抑えつけると、アイドラーがガタガタと暴れ始めます。 モータープーリーが逃げないためにそうなるのです。 ところが401はプーリーが逃げるので、アイドラーが中に入り込んでくる。 そうなるとプーリーにアイドラーからの圧力が増大するために、回転が落ちてくる。 ちょうどアイドラーがプーリーとプラッターの間にクサビを打ち込まれた格好になるのです。 こうしてみると401が当時台頭したベルトドライヴ型プレイヤーに負けない高SN比を目指したのは明白です。 モーター全体を柔らかくかつフレキシブルに懸架してやればSN比は稼げます。 されにもうひとつの決定的な要因、401独特のエディカレント構造が加わります。 401のエディカレント機構はTD 124と原理的には同じですが、TD124と異なる点はモーターのローター軸に直接強いエディカレントをかけていることです。 その力は強くがんじがらめのエディカレントが利いてモーターは自由に回転できない。 エディカレントがサーボのように働くので常にローターを押しとどめようとしているからです。 モーターは貧血気味になり、負荷に対する反発力が減衰し、その結果再生音にある音の立ち上がり下がりがはっきりせず、いわゆる音が立たなくなる状態になりがちです。 リズムのメリハリも出てこなくなります。 こうしたことは、音楽に密接に関わってくる大事な要素なのです。 たしかに、回転の安定は向上します。 当たり前です、エディカレント機構による強力なサーボがモーターに直に働いているのですから。 高SN比と回転の安定のために、犠牲になったものは何か、これは401に限らず、ベルトドライヴ以降のプレイヤーに共通するディレンマなのです。 こうしたモーターカバーに直接磁力を帯びさせる形式のエディカレント作用ではリズム感が著しく不明瞭になってしまう現象を、TD124を開発したトーレンスの技術者たちは知っていたに違いありません。 それゆえ、TD124はエディカレント機構をモーターのローターに直接利かせることをせず、モーターから離れたステッププーリー部に利かせるようにデザインした。 それによりモーターをエディカレントからのストレスを直接受けることなく、より自由に回転させることを可能にしたのです。

401とカートリッヂの整合

シュアーM44での試聴では、どうにもさえない音しか出ませんでした。 ということはガラード401は反応力をもってカートリッヂに対応するタイプではないということになります。 となればカートリッヂは反応力よりも信号の量に働くもの、シュアー社製ではV-15型のほうが良い結果が得られる、そう推測できます。 しかし、フォノモーターとカートリッヂとの関係は反応力だけで決定されるものではありません。 フォノモーターのキャラクターというものを考えないと、自分に合わない服をとっかえひっかえ着るようなことになります。 フォノモーターのキャラクターは大きく三つのタイプに分けられます。 1)カートリッヂを飲み込んでしまうタイプ(コニサー・クラフツマンとかガラード301) 2)カートリッヂと調和して力を発揮するもの(トーレンスTD124) 3)カートリッヂの能力に従い頼るもの(ガラード401およびベルトドライヴ型プレイヤー) 1)の場合再生において自ら良しとするカートリッヂと組めば俄然その力を発揮しますが、そうでない場合はねつけてしまう傾向があります。 2)は1)のように合わないから断固拒絶すると言うこともなく、それなりの力を引き出したりします。 3)のプレイヤーはカートリッヂの潜在能力を引き出して自ら一体となって音楽を創出するという働き方はしません。 カートリッヂの能力次第で良くも悪くもなるのです。 したがって、広い周波数レインジと高トレーシング能力を備えたものが必要となります。 これらを踏まえると401に適合する機種は第一候補として同時代のデッカ製カートリッヂMk.4、オルトフォンSL15、シュアーV15-供,覆匹挙げられます。 また同時代のゴールドリング社製カートリッヂも効果が上がるかもしれません。 プログラムソースとして、ブリティッシュロックが一番ハマりそうで、デッカのカートリッヂでヤードバーズなどをかけたら、結構面白いと思うのです。 この項おわり 以上T氏





トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔